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永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)
 
 

永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫) [文庫]

カント , 中山 元
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 680 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

中山元は在野で活躍する哲学者にして翻訳家。難解な思想を平易かつ鮮やかな日本語に置き換える力には定評がある。その彼が世に問う斬新な訳業。カントの著作には特有の難解な哲学用語があり、これまで読者を遠ざけてきた。新訳では〈悟性〉〈格律〉などの専門用語をいっさい使わずに翻訳している。この大胆な試みは哲学の翻訳では特筆すべき快挙。いま初めて、カントは、日本で読まれ始める。

内容(「BOOK」データベースより)

自分の頭で考える。カントが「啓蒙とは何か」で繰り返し説くのは、その困難と重要性である。「永遠平和のために」では、常備軍の廃止、国家の連合を視野に入れた、平和論を展開している。他3編を含め、いずれもアクチュアルな問題意識に貫かれた、いまこそ読まれるべき論文集。

登録情報

  • 文庫: 387ページ
  • 出版社: 光文社 (2006/9/7)
  • ISBN-10: 4334751083
  • ISBN-13: 978-4334751081
  • 発売日: 2006/9/7
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (18件のカスタマーレビュー)
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96 人中、82人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本書冒頭の「啓蒙とは何か」はシビれる論文です。

「啓蒙とは何か。それは人間が、みずから招いた未成年の状態から抜けでることだ」

と始まるこの論文は、たった17ページしかない、222年も前に書かれた古いものです。しかし、私はこれを読んで身体が震えました。ここには、私が今の暮らしで直面している苦悩や、私たちの世界が陥っている混乱に対する、真摯な応援の言葉があったからです。考えろ、そして発言しろ。それが世界を変えてゆく、と私たちを勇気づけてくれる言葉が。

こうした本を人は「名著」と呼びます。しかし名著ってなんでしょうか? どんな本だって書かれてすぐ名著になったわけじゃない。多くの他人に読まれて、その本について人々が語り、さらに長い間読み継がれてはじめて「本」は「名著」になります。

しかし、現代の私たちは、名著の題名は知っているけれど、それを手に取り読むことは非常に少ない。誰にも読まれない本が名著と呼ばれるのはヘンですよね。

このシリーズは、名著の埃を払い、ちゃんと読める訳になっています。現に、私には222年前の論文がビンビン心に響いた。当時のプロイセンの読者が感じた衝撃も、きっとこんなだったのではないだろうか。

「自分の頭で考えろ」「服従しろ。しかし、学者としての自由な発言は誰も妨げることはできない。発言しろ」とカントは繰り返し言います。私たちは誰もが誰かに服従し、苦しい人生を送っています。しかし発言の自由がある。まるでカントは今日のWeb2.0の世界を予見していたかのようです。そしてテロと戦争が吹き荒れる無理解も、すでにカントは指摘していました。

この素敵なカントの言葉を、多くの人に読んでもらいたいと思うのです。本は、誰かに読まれて初めて名著になる。カントの本を名著にするのは、ほかでもない私たちです。「啓蒙とは何か」は222年前の9月末日のプロイセンで脱稿されました。しかし、まるで昨日、私のすぐそばで書かれたかのような熱さを持っています。

巻末には100ページに及ぶ訳者の解説が付いています。親切で、読みやすく、挑発的です。カントと中山元の二人から「さあ、いっしょに考えてみないか?」と誘われているようです。
このレビューは参考になりましたか?
82 人中、68人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 古本屋A トップ1000レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
長谷川宏氏による革命的な翻訳が90年代に次々と出版され、ヘーゲル像が一新された。本シリーズはやや遅ればせながら同じような精神で古典翻訳を進めたものだと思える。しかし大変に奇妙なことは、「理性」とか「悟性」という言葉を使うから哲学が分かりにくく、そういう術語を使わないと分かりやすい、ということが「定説化」していることだ。多分、そう思っている人も、本の宣伝文にそう書いてあったからそう言っているだけで、体験上のことではないはずだ。従来の翻訳が悪かったのは、「術語」のせいではなく、言語構造が異なるのに、「逐語訳」という奇妙な概念を発明して、これに沿っていることが「正」である、としたためだ。術語を駆使しても過去の名訳は名訳だった。ところで本書の翻訳は、一か所だが、問題があるように思える。それは冒頭「啓蒙とは何か」のVernstandを「理性」と翻訳している点だ。「啓蒙とは何か」の冒頭で、「未成年の状態とは、他人の指示を仰がなければ自分の〈悟性〉を使うことができないということである。」と書いてある。この箇所は、実は、「純粋理性批判」の先験的分析論の劈頭にある先験的判断力と悟性の関係を反映している。そこでカントは言っている、悟性とは規則に従ってこなす能力だが、それゆえに、運用には「指示」が必要なのだ、と。そして悟性は努力すれば磨かれるが、判断力(指示する力)は持って生まれたものだ、と言っている。これを受けて、子どもと大人の差はそこなんだ、というのが本書冒頭で述べているわけだ。つまり、ここでは「理性」と訳してはいけない。やっぱり「悟性」か「知性」であるべきだと思う。ここでは普通の意味での「理性」のことだ、というのは大変わかりにくいし、「普通の意味」での「理性」と言われても、やっぱり如上の理由からそれは違うと思う。従来の「悟性」=「理解力」とは、違うといいたいのであれば、「理性」ではない、別な訳語を宛がうほうが誤解を与えないと思う。たとえば英国哲学の翻訳で馴染み深い「知性」という言葉を用いればよかったかも。でも、「悟性」で通りは良いと思う。さて、その他については、なるほど読みやすい翻訳である。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
五つの論文 2009/10/25
形式:文庫
「啓蒙とは何か」「世界市民という視点からみた普遍史の理念」
「人類の歴史の憶測的な起源」「万物の終焉」「永遠平和のために」
の五つの論文が収録されています。
人類の進化は各人の差異により為されます。
各人が自立していること、つまり差異性は時に争いの原因となります。
他方で、ファシズム、コミュニズム、グローバリズム(市場原理主義)、
つまり「世界国家」は差異性(階級、民族、文化など)を隠し、
画一化によって“無駄な”議論・争いの発生を防ぎます。
他方で、差異がなくなれば幾世代にわたって続けられる
人類の進化という作業は停止します。
カントは「たえず拡大し続ける持続的な連合」=連合国家を提唱します。
差異をぶつけ合う場において各人は他者の差異を知り、
また客観的に自分の差異を見つめ、より良いものにすることができる。
人類の一員としての自分の務めは何であるか、と考えさせてくれます。
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投稿日: 2008/1/4 投稿者: te_ka74
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投稿日: 2007/5/24 投稿者: 大志を抱く青年
解説が素晴らしいです。
計5編の論文からなっているのですが、それぞれ別個のものではなく、一貫したテーマに沿って配置されており、カントの歴史哲学の流れを追えるようになっています。訳がわかり... 続きを読む
投稿日: 2007/3/30 投稿者: ezo
人類への応援
 これはとても小さな本だけれど素晴らしい仕事だとおもいます。... 続きを読む
投稿日: 2007/1/6 投稿者: カスタマー
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