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永遠平和のために
 
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永遠平和のために [単行本]

イマヌエル・カント , 池内 紀
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)

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内容説明

新訳で読む平和論の決定版!
「日本の平和憲法」と「国連」は、この本の理念から生まれた。池内紀による新訳、藤原新也・野町和嘉・江成常夫の写真とともに、カント永遠の名著が装いも新たによみがえる!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

カント,イマヌエル
1724年4月22日、革具職人の息子として東プロシアの首都ケーニヒスベルク(現ロシア領カリーニングラード)に生まれる。1755年(三十一歳)家庭教師などで生計を立てたあと、王立図書館司書。その後、ケーニヒスベルク大学の私講師となり、論理学や数学などを教える。1770年(四十六歳)ケーニヒスベルク大学哲学教授となる。哲学で生計を立てた最初の人である。1781年(五十七歳)『純粋理性批判』を出版。その後、88年に『実践理性批判』、90年に『判断力批判』を刊行し、批判哲学を確立。その思想は今日にいたるまで大きな影響を及ぼすことになる。1804年2月12日死去

池内 紀
ドイツ文学者・エッセイスト。1940年、兵庫県生まれ。美しい文章、やさしさに満ちた随筆が多くの人のこころをとらえている。「第54回毎日出版文化賞」「第5回桑原武夫学芸賞」「第39回日本翻訳文化賞」などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 120ページ
  • 出版社: 綜合社 (2007/11/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4777710106
  • ISBN-13: 978-4777710102
  • 発売日: 2007/11/26
  • 商品の寸法: 17.6 x 12.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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34 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
問題の訳書 2008/5/7
形式:単行本
世の中、読み易い分かり易いが流行っている。
有名な独文学者である池内紀も「簡潔」で「分かり易い」訳を心がけたと解説で書いている。ところが買ってみて驚いた。
原文自体簡潔で分かり易い前半2章は全訳。しかし問題の後半が恐ろしく切り詰められた抄訳になっている。後半こそ訳者の技量が問われるところのはずなのに。

抄訳した理由は前半に対する「補い」だからということと、カントの生きた「時代と密着」していて「古びている」からということらしい。警句的な性格を出すという目的もあったようだ。
カントは「永遠平和」が理想主義者のタワ言ではなく、「根拠のある希望」だと信じた。その根拠を述べているのがこの後半だというのに! だからカント自身、この後半こそ「本質的」な部分だと書いた。
根拠を述べようというのだから、自然、簡単とは言い難い議論にもなるだろう。
それを警句的性格を出すためなどの理由で薄めてしまうとどうなるだろうか?
カントが恐れたように、潜む問題の凶暴性を無視した楽観主義者のタワ言がまかり通ってしまう。
後半を端折ったことで訳者はカントの批判哲学的な希望を台無しにしてしまった。

それが現れているのは訳者の解説。
訳者はカントの生きた東ヨーロッパが多民族共存の楽園だったと本気で思っているらしい。 同じようなイメージで語られていたユーゴスラビアが民族憎悪の中で崩壊したことを思い出せばいい。それよりも何よりも、ドイツがナチズムへと走りユダヤ人だけでなく東方の民族を隷属させようとしたとき、古い軽蔑の心が梃子になったことを思いおこすべきだろう。

カントは見かけの平和の裏に凶暴な「人間の自然」が潜んでいることを忘れていない。見せかけの平和よりも民族間の確執が民族を育てる、と危険なことも書いている。人間の自然は争い=戦争でも、にもかかわらず永遠平和は根拠ある希望なのだと、とても微妙な論を展開しているのがこの後半だ。
後半が端折られたことで、カントが望んだはずの「根拠ある希望」としての永遠平和というテーゼを十分理解することも、ましてやカントに?マークをつけることもできなくなってしまった。
このレビューは参考になりましたか?
23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
30年前、私は大学において哲学(カントとヘーゲル)を専攻していた。当然、原書で読んでいたのだが、カントってこんなに易しかったのか・・。
22年前に刊行された岩波文庫版と比べ、訳文がとても分りやすい。どうやらこれは、池内紀氏の力量のみならず、編集者である池孝晃氏の情熱がもたらしたようだ。
本文の中から、特に本質をつく言葉を採り、それに藤原新也氏や野町和嘉氏らの写真を添えている。このセンスがよく、この作品と向き合う人を拡大するに違いない。
中・高生に読んでもらいたい。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
読みやすくすることを目的としたカントの書物です。
ほとんどの部分がカットされておりカントにとって
重要なはずの論証の部分がまったくありません。その点、
何故平和が必要なのか?という問いというよりも平和は必要
だから必要であり論証の必要はないという展開になっています。
かつてカントは困窮してたころ、偶然あいた詩学の教授ポストを
提供されそうになりましたが憤慨してそれを拒否しました。
カントが最も忌み嫌っていた情緒的な詩がカントの書物に
附されていることをどう考えるか。カントの哲学は論証ではなく
詩学として受容されているのかもしれません。
カントの正確な理解とは遠い書物です。
いくらわかりやすいものブームだからといって、インスタント
ラーメンのように何でもすぐ理解できなければ駄目だという風潮は
どこから生まれたのでしょうか。
ファスト風土化する日本の情況を全肯定するだけでは多くの若者も
深い思索を続けることはできないでしょう。実際大学生でも「90分で
わかる〜〜」だけを読んで満足する学生が続々と増えてきているのですから。
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