リンダ・ハワードとリンダ・ジョーンズの、ヴァンパイア・パラノーマル・ロマンスです。うわあっ。
ヒロインのクロエは、大病を患いながらも明るくしっかり働く29歳の頑張り屋さん。クロエを助けるのは、生粋のヴァンパイアで最強の暗殺者にして推定年齢2000歳以上という、ルカ。
ルカには特別な力があって、誰もが彼を「憶えていることができない」のです。
できるのは、彼同様に特別な力を持つ者か、齢を重ねたヴァンパイアか…だったのですが、なぜかクロエだけはルカを覚えているという現象が起こります。
(最後の最後でそのナゾは解けますが)そのことが、孤独なルカをクロエに惹きつけていきます。
ロマンスは、数ある苦難を乗り越えて、男女が結びつく、という物語ですが、いやいや、ダブルリンダ、こりゃあ、また。色んな罠が、そこかしこに。
クロエがヴァンパイアに狙われるのは、ヴァンパイアの天敵「ウォリアー」を召喚できる「コンデュイット」(異次元?にいるウォリアーの子孫だという…)だったため。
大ざっぱに言えば、ルカとクロエは、いわゆる「ロミジュリ」の恋のようです。
クロエの爽やかな性格が、油断すると陰鬱になる物語中盤を明るく開いてくれます。
しっかりもののお嬢さんに、ルカ、よろめく。
これがまた、醍醐味というものでしょうか。(二人のとんでもない年の差は、誰も気にしないのでしょうか?)
クロエとルカのロマンスを軸に、ヴァンパイア世界の胡乱な政治体制と、魔女と異次元の戦士たちが物語を彩ります。
設定が薄いところもあり、ちょっと気を抜くと、ばらばらになって、なんのこっちゃわからんような物語になりそうですが、そこはダブルリンダ、登場人物たちの個性の豊かさに加えて、最後に「うわあああ〜」な収束。
うん、いいかんじです。
惜しむらくは、オープニングにどんどんっと入っているヴァンパイアによるコンデュイット狩り。ぶつ切りだと、せっかくの雰囲気がちょっとわかりにくかったカモ。まあ、でも。二度読めば理解オッケー。大丈夫です。
一つ!
嬉しいのは、今まで「そういうものである」としか語られてこなかった、あの、「ヴァンパイアは、初めて訪れる人間の家には、招かれないと入ることができない」ルールについて、いろいろと書いてもらえたこと。
ロマンスものでも、そうでないジャンルでも、ヴァンパイアものでそういったルールについて書いてもらえたのもの、初めて目にしたかも、です。
キーワードは、キュートな魔女ネヴァダ。彼女の健気なアプローチに、そりゃあ武闘派ヴァンパイアもメロメロっと。
ラスト!思いっきり「続く」。
来年刊行予定だそうですが…続き、早く!二見書房さん、よろしくお願いします〜。