ショピング・モールの建設予定地で4体の白骨死体が発見される。敏腕検屍官と人権弁護士が出会い、事件と恋の行方は?
作者のベイデル&ケニーは、夫婦であり。それぞれ有名な検屍医と人権弁護士であるという。この読み応えのある作品は、作者自身をモデルに作り上げたミステリー作品である。
「らしく見える職業人と実際の職業人では、どちらが小説の登場人物にふさわしいか。」
ある小説家の問いである。小説には、多彩な職業の人物が登場する。小説家は多彩な職業を経験している訳でもなく、只々想像力や、調査と資料で造形していくことになる。探偵などはその最たるもので、<フィリップ・マーロウ>や<沢崎>みたいな探偵は存在しない、彼らが素行調査や浮気調査の凌ぎで、事件の合間を暮しているとは想像したくない。(<沢崎>は警備員で凌いでいるそうだけど)
<鮫島>みたいな警察官は、存在そのものが犯罪であるといえる。
想像物にいかにリアリティを与えるかが小説の勝負どこなのだが、さすが本物のリアリティと唸らせてくれるのが、この小説である。
先の問いに答えれば、「らしさ」と「本物」の絶妙なバラスが、小説の登場人物に不思議なリアリティを与えると、この小説が実証している。
野暮な検屍官ジェイクと、ブランド好きな人権弁護士マニーのおしゃべりは絶品。二人のロマンスは死臭と、検屍という科学のうんちくの中でサイドストーリーを奏でる。
「蛆虫はホルマリンでは死なない。」
「ホルマリンは、最近のマニキュアで使用されている」
「過度な放射線を浴びた骨は、X線を放射しなくても、レントゲンに写る。」
などなど、トリビア満載。