星の王子様の話は、名前は知っていたが実際に読んだことはなかった。フォン・フランツは、昔話への深層心理学的な視点からの分析を得意としているが、この星の王子さまについても、鋭い分析が行われている。「永遠の少年」という言葉は、響きは悪くないが、いつまでたっても大人になろうとしないピーターパンのようなものなのだろう。心理学者の河合隼雄さんによれば、日本人には永遠の少年タイプの人間が多いそうだ。このタイプの人間は、母親との心理的結びつきが強いせいで、母親から飛び立とうとしても、すぐに母親のもとに引き戻されてしまう。それを自分自身で無意識にやっているのだからしょうがない。無責任で、現実を見ようとしない。持続力がない。なにか自分のことを言われているような気がして、自分のことと照らし合わせて読みすすんでしまった。誰の心の中にも永遠の少年の原型は存在しているというが、やっぱり体は大人でも、精神的に少年のままでいるのは嫌である。「永遠の少年」と呼ばれる原型の特徴を知ることで、自分の内省の機会ともなるのではないだろうか。とにかく、一読の価値あり。