この本は『知覚の扉』『すばらしい新世界』『島』『恋愛対位法』等の著書で有名な
オルダス・ハクスリーが古今東西の神秘思想家たちによる言葉を、様々なテーマに分類、
紹介し、彼自身のコメントをつけたものである。
各章をいくつか紹介すると以下のとおり。
汝はそれなり/人格・聖性・神の化身/仁愛/心理/恩寵と自由意志/善と悪/時間と永遠
救い・解脱・悟り/沈黙/祈り/苦しみ/信/奇蹟/儀式・象徴・秘蹟/観照・行動・社会的効用
等々である。
引用は、西はドイツの神秘学者エックハルト、聖アウグスティヌス、十字架の聖ヨハネ
聖フランソワ・ド・サール、イスラム神秘主義詩人のルーミー、レイズブルーク、他
東は荘子、老子、永嘉、インド古代叙事詩「バガヴァッド・ギーター」等
「哲学」というテーマを読むと難しそうだが、決してそうではなく、誰もが抱える心の
不安を賢人たちの言葉によって分析し、「そうだったのか」と納得させる本。
例えば「仁愛」の項を一部紹介すると、
「魂はみずから生気あらしめている肉体の中よりも、むしろ自らが愛しているものの中に
住む。なぜなら、魂は肉体の中に生命を有しているのではなく、むしろ肉体に生命を与え、
自らが愛しているものの中に生きるからである(十字架の聖ヨハネ)」
この本を購入したのはもう随分昔だが、今も繰り返しページを捲りたくなる。
全ての時代を通して、人の目からウロコを落とす、そんな本のひとつであると思う。