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人間は、不器用すぎる存在だ。
心にいろんなものがありすぎて、
いろんなことを感じすぎて、
不器用に生きることしかできない。
しかし、それが人間の素晴らしさでもある。
「永遠の仔」という題名になった理由がわかったような気がする。
特に「子」ではなく「仔」の理由が。
人は誰もが、自分が幸せになりたいと思い、行動している。
その上で、誰か大切な人が幸せになってほしいとも思い、行動している。
各々に前者と後者の大小はあるにせよ、このパラドックス的な事実は、
物語の全ての人間を巻き込み、哀しみを生んだ。
この世界にいる人間は皆、年齢に関係なく、結局のところ「仔」であるのだろう。自分の存在を認め、肯定してくれる存在が「子」の隣に立っていることによって、人間は初めて自分の真の価値を見出せるのではなかろうか。
だから、世界は男と女に分かれ、両者は互いに求め合い、
人は存在を肯定してくれるものに、深い安らぎを覚えるのだろう。
しかし、その肯定的な世界が、否定的な世界に変わる場合もある。
肯定的な世界という光がある以上、否定的な世界という影は必ずついてくる。
本書はその否定的な世界に身を置くしかなかった、光を求めるがゆえに否定的な世界での痛みを知ってしまった人物たちの物語だ。
虐待、親と子の関係、男と女の関係、人間と人間、つまり「仔」と「仔」の関係、ドラマ的なエンターテイメント性を盛り込んだ以上、
少し消化不良の面もあったが、十分に質は高く、
本年度読んだ上ではベスト3には入る、素晴らしい作品であった。
人間の生命に、闇に、手を差し出した傑作です。
最後の一行はとても衝撃的ですが、その一行にもしかなり多くの人が安寧を与えられたのだとしたら、よくよく考えるととても怖い気がします。そんな一言で癒しを与えようとするこの小説が間違っているというのではありません。それほど多くの人々がこの一行に癒やしを得なければならないような世の中というのは、やはりどこか歪んでいるのではないかと思います。今の世の中のほうが間違っていることを、この小説は最後の一行で鋭く問うているのではないでしょうか。そう考えるとこの小説はとても恐ろしい迫力に満ちた作品だと思います。
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