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永遠のとなり
 
 

永遠のとなり [単行本]

白石 一文
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

部下の自殺をきっかけに自身もうつ病に罹り、会社を辞め妻子とも別れ、何もかも壊して故郷・博多に戻った精一郎。九年前にがんを発症し、死の恐怖から逃れようとするかのように、結婚と離婚をくりかえす敦。小学校以来の親友であるふたりの男は、このやるせない人生を受け入れられるのか―。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

白石 一文
1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 221ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/06)
  • ISBN-10: 4163261907
  • ISBN-13: 978-4163261904
  • 発売日: 2007/06
  • 商品の寸法: 19.5 x 14 x 2.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (19件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 心の動きの妙, 2007/6/17
レビュー対象商品: 永遠のとなり (単行本)
前作『どれくらいの愛情』で直木賞候補になった筆者は、その審査講評で、「描写が細かすぎる」「住所地番地まで書く必要があったのか」「文体がこなれていない」「理屈を重ねすぎる」という意味の、酷評に接する。私は、この講評を読みながら、どうか、あのたたみかける理屈っぽさを失わないでほしい、克明なくどいほどの描写を続けてほしいと願っていた。
その意味で、候補入賞後初めての作品をいまかいまかと心待ちにしていた。

男女の奥ゆかしい心の襞を描いてきたこれまでの作品と異なり、生き続ける意味を見いだそうともがく男の心理を描いている。ドラマチックな展開があるかと言えば、これまでの作品に比しておとなしいが、存分に心の動きの妙は味わえる。
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5つ星のうち 5.0 一定の年齢にならないと理解できない小説, 2007/7/7
レビュー対象商品: 永遠のとなり (単行本)
高度成長期や飽食の時代に育った人たちには理解しにくい小説だと思う。九州と本州を隔てる関門海峡を間近で見れば、大きな川と勘違いするほどふたつの島は物理的には近い。しかし精神的な距離は、それに反比例する。生き馬の目を抜く東京での生活に疲れ、故郷で自分を取り戻す、そう努める主人公にとって、加齢とともに「人生とは何か」をしみじみと反芻する日々は、おそらく「この世に神も仏もありしゃない」と毒づきたくなるほど不条理に充ち満ちたものだったろう。「永遠のとなり」とは、理不尽に満ちた現代社会に対する絶望と、それでも希望を捨てきれない著者のアイロニーではないというのが私の読後感である。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「生きるって・・・」 と思わず振り返る本, 2007/10/18
レビュー対象商品: 永遠のとなり (単行本)
 白石さんらしい、いい本でした。

 舞台は福岡。
 うつ病になり、妻子と別れ、退職して故郷に戻ってきた男性。仕事のあても立たず、なんとか体調を戻しながら暮らしを立てようとするが、簡単ではない。
 結婚と離婚を繰り返す幼馴染の男性。肺がんに侵されて、再発を克服し、なおも死の恐怖と戦い続けていた。
 中年を過ぎようとする、そんな二人の男性の、それぞれの生き方から見える命とは何か。

------

 わしは怒って怒って怒って、もう怒りきらんごと怒っとると。
 見てみんね、篠田のばあちゃんの死に様ば。見てみんね坂下のじいさんの暮らしば。見てみんね、血友病でずっと結婚もできんかった久美の人生ば。見てみんね、死んだ父親と三つ年上の兄貴に小さい頃からさんざん虐待ば受けてきた下枝の人生ば。わしは許せんとよ、こげなひどか、こげなむごか、こげな悲惨な世界ば作ったやつのことが、どげん許さないかんと思ってみても、どうしても許せんと。
 やけどね、せいちゃん。
 このわしのそん怒りが、この胸のど真ん中にどげんもこげんもならん腫瘍ば作っとるとよ。こん怒りがさ、わしの身体にがんば作ってしまっとるとよ。
 どう思うね、せいちゃん。
 人間って一体なんやろね。

------

 日常の描き方が、通り一遍ではない。
 隠さず、衒わず、良い意味で温度のない目線で書かれている。

 読み手を選ぶが、この作家は畢生を描くのが上手い。
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