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永遠のとなり (文春文庫)
 
 

永遠のとなり (文春文庫) [文庫]

白石 一文
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

部下の自殺をきっかけにうつ病に罹り、会社を辞め妻子とも別れ、何もかもを捨てて故郷・博多に戻った青野精一郎。肺がんを発病し、死の恐怖から逃れようとするかのように、結婚と離婚をくりかえす津田敦。48歳となった、小学校以来の親友ふたり。やるせない人生を共に助け合いながら歩んでいく感動の再生物語。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

白石 一文
1958年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、2000年に『一瞬の光』で小説家としてデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で、第22回山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で第142回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 254ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/03)
  • ISBN-10: 4167772027
  • ISBN-13: 978-4167772024
  • 発売日: 2010/03
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
心の動きの妙 2007/6/17
形式:単行本
前作『どれくらいの愛情』で直木賞候補になった筆者は、その審査講評で、「描写が細かすぎる」「住所地番地まで書く必要があったのか」「文体がこなれていない」「理屈を重ねすぎる」という意味の、酷評に接する。私は、この講評を読みながら、どうか、あのたたみかける理屈っぽさを失わないでほしい、克明なくどいほどの描写を続けてほしいと願っていた。
その意味で、候補入賞後初めての作品をいまかいまかと心待ちにしていた。

男女の奥ゆかしい心の襞を描いてきたこれまでの作品と異なり、生き続ける意味を見いだそうともがく男の心理を描いている。ドラマチックな展開があるかと言えば、これまでの作品に比しておとなしいが、存分に心の動きの妙は味わえる。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
高度成長期や飽食の時代に育った人たちには理解しにくい小説だと思う。九州と本州を隔てる関門海峡を間近で見れば、大きな川と勘違いするほどふたつの島は物理的には近い。しかし精神的な距離は、それに反比例する。生き馬の目を抜く東京での生活に疲れ、故郷で自分を取り戻す、そう努める主人公にとって、加齢とともに「人生とは何か」をしみじみと反芻する日々は、おそらく「この世に神も仏もありしゃない」と毒づきたくなるほど不条理に充ち満ちたものだったろう。「永遠のとなり」とは、理不尽に満ちた現代社会に対する絶望と、それでも希望を捨てきれない著者のアイロニーではないというのが私の読後感である。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 白石さんらしい、いい本でした。

 舞台は福岡。
 うつ病になり、妻子と別れ、退職して故郷に戻ってきた男性。仕事のあても立たず、なんとか体調を戻しながら暮らしを立てようとするが、簡単ではない。
 結婚と離婚を繰り返す幼馴染の男性。肺がんに侵されて、再発を克服し、なおも死の恐怖と戦い続けていた。
 中年を過ぎようとする、そんな二人の男性の、それぞれの生き方から見える命とは何か。

------

 わしは怒って怒って怒って、もう怒りきらんごと怒っとると。
 見てみんね、篠田のばあちゃんの死に様ば。見てみんね坂下のじいさんの暮らしば。見てみんね、血友病でずっと結婚もできんかった久美の人生ば。見てみんね、死んだ父親と三つ年上の兄貴に小さい頃からさんざん虐待ば受けてきた下枝の人生ば。わしは許せんとよ、こげなひどか、こげなむごか、こげな悲惨な世界ば作ったやつのことが、どげん許さないかんと思ってみても、どうしても許せんと。
 やけどね、せいちゃん。
 このわしのそん怒りが、この胸のど真ん中にどげんもこげんもならん腫瘍ば作っとるとよ。こん怒りがさ、わしの身体にがんば作ってしまっとるとよ。
 どう思うね、せいちゃん。
 人間って一体なんやろね。

------

 日常の描き方が、通り一遍ではない。
 隠さず、衒わず、良い意味で温度のない目線で書かれている。

 読み手を選ぶが、この作家は畢生を描くのが上手い。
このレビューは参考になりましたか?
最近のカスタマーレビュー
考えさせられました。
白石さんの本は初めて読みますが
とっても優しい文章で
読みやすかったです。
別な本も読みたくなりました。
投稿日: 1か月前 投稿者: 青ちゃん
独白の美しさ
死を反射鏡にして生きる意味をつきつめてゆく白石作品のいつものテーマを、... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: hide
びっくり・・
ここに出てくる小中学校、高校、地域、すべて実在します。作者は、ここに住んでいたのでしょうか・・私は、主人公とその友達が通ったという小学校に3年間通いました。最後の... 続きを読む
投稿日: 15か月前 投稿者: kei
若い時分は、自分の死より他人の死がリアルである
白石の作品群は、ときに余りに哲学的、宗教(論)的、で生と死の問題に真正面に取り組むため、しんどい場合がある。もちろん作品としてはみないいものだけどね。... 続きを読む
投稿日: 22か月前 投稿者: aquatio
終始穏やかなムード。組立ての巧さが光るコンパクトなB級作品
「生きる」というテーマに対して様々な角度から切り込んで来る白石一文氏。... 続きを読む
投稿日: 23か月前 投稿者: cymbaline
「平凡な生などない」
浮気で家族に発たれ、同僚の死を境に病を患い、故郷で療養に専念する主人公。
癌と戦いながら、離婚と再婚を繰り返す親友。... 続きを読む
投稿日: 23か月前 投稿者: 想夫恋好
永遠の、あっちゃんとせいちゃん
お互いのことを「あっちゃん」、「せいちゃん」と呼び合う二人。... 続きを読む
投稿日: 2010/3/6 投稿者: Rumiko
実力のある作家
この著者の作品はほとんど読破していますが、ご本人もうつ病経験者だけあって弱者の気持ちをよく理解されているといつも感心します。勝組の主人公、負組の悲哀等がクローズア... 続きを読む
投稿日: 2008/12/30 投稿者: とあーず
生と死が常に近くにあり、諦観と老いを感じさせる
少し浮世ばなれしていて、自己を追求する幼馴染の2人。深刻な病を抱えていて、不安におびえながら、お互い支えあって生きてゆく。福岡を舞台に静かで、透明感のあるストーリ... 続きを読む
投稿日: 2008/12/25 投稿者: だん
なにこれ!白石さん!
ちんたらちんたらした話
いろんなことをこの二人は話しているのだが、生とか死とか愛とか意味とか・・・... 続きを読む
投稿日: 2008/11/20 投稿者: yaya
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