■目次
序章―「このままじゃ菅直人が次の総理大臣だ…… この流れは、おれが絶対潰す」
『“小沢・野中会談”仕掛けの内幕』
第一章―「(退学すると先生に脅され)いますぐやめてやる!」
『少年時代から侠骨一筋 脱サラ・警察官僚・政治家志望』
第二章―「こうなったら細川の首を取るしかない」
『人気絶頂の細川政権に仕掛けたスキャンダル爆弾』
第三章―「”反小沢・反学会”同盟で政権は奪い返せる」
『剛腕小沢に挑んだ秘策・村山擁立』
第四章―「総裁選(小渕政権発足)は“出来レース”だ」
『YKKとの決戦……保保・救国政権*2への仕掛け』
第五章―「このままいったら、日本は何もかも駄目になる」
『ポスト小渕へ……亀井静香の野望*1』
解説・「人間がすけて見える」政治家 岩見隆夫
■本文より
亀井は、抜群の行動力と鋭い勘の持ち主だった(本文)
亀井には人間がすけてみえる好もしさがある(岩見隆夫氏/毎日新聞)
たとえ喧嘩しても最後の糸だけはきちんと残している(平沼赳夫氏)
なにより、先が見える(衛藤晟一氏)
■感想
ひたすら政局争いの話に終始し、いかに人情味ある優れた政治家か、のみが語られるが、↑の後ろ二人の発言に至っては、その決戦相手に自民党を追い出され、小泉はヒトラー以上だと吐き捨てたことを思うと、爆笑を禁じ得ない。
また、自社さきがけ政権の主な立役者として描かれているが、本書で盟友扱いの白川勝彦は「その時をもって(自民)党内ではリベラルが多数派になった」と発言している。名を取って実を取られたのではないか。
池田信夫氏(経済学者)は「確信犯的な社会主義者だ」と評するが、本書によればマルクス・レーニン全集を通読した程度で、学生時代の成績表は「可」のみ、マル経ですらろくに勉強していなかった。
本書に唯一見られる政策論は「強者にも、弱者にも、競争するときには、できるだけハンデを少なくさせるのが、政治の使命ではないか」という考えで、今だに交通インフラ整備を強固に主張していることに符合する。〈弱者〉とは、「山中に住んでいる人」のことらしいが、一時期政策ブレーンだったと言われるケインジアンの植草一秀氏は名前すら出てこず、学究の形跡はない。
*1 2009年の年末、岸井成格氏は「亀井さんは自分が総理になると思っている」とワイドショーで発言した。”野望”がかなった格好だが、2010参院選では自党の獲得議席はゼロ、国民から存在意義を完全否定された。著者は『
亀井静香―天馬空を行く!』でお膳立てをしたようだが、全く功を奏さなかったようだ。
*2 『週刊文春2011年4月14日号「THIS WEEK 政治」』より
「現状は、森喜朗元首相や古賀誠元幹事長ら“大連立派”に追い風なのだが、そこに待ったをかけているのが、挙国一致の「救国内閣」を提唱してきた国民新党の亀井静香代表である。…大連立になれば国民新党の存在感はなくなり、救国内閣の要として自身が入閣するシナリオも消えるという不安も亀井氏の不快感につながっているようだ。」
「自分は救国の志士である」という考えが、15年以上変わっていないのではないだろうか。いい歳してナイーブな自己認識である。