「笑傲江湖」の一件以来、原作に忠実だった張紀中が満を持して世に送り出した自由度の高い武侠ドラマが本作品で、オープニングからそれを物語っている。
(個人的にはオープニングテーマが大いに気に入っている)
他の武侠ドラマに比べ、主要な登場人物は少ないものの、その分、各登場人物に奥の深い人物設定を持たせることが可能で、それらの絡み合いも本作品の魅力のひとつになっている。
本作品の特徴のひとつであるコメディだが、体を張ったドタバタものが主で、ドリフターズのコントを受け入れられれば十二分に楽しんでもらえる。また、武侠ドラマとは思えないユニークな音楽や効果音が随所で聞くことができ、それがコメディを引き立てる効果を発揮している。
武侠ドラマといえば、武功を用いたアクションを中心とする戦闘シーンが見どころのひとつだが、本作品の場合、主人公が武功を学ぶのは中盤からであり、前半は物足りなさを感じるかもしれない。また、主人公の武功に関しては、「天龍八部」の三人の主人公に近しい感じが持てる。習得方法(?)は虚竹、武功の不安定さ(本人いわく、「しらふだと技を使えないことがある」)は段誉に近く、そこに我流が混ざるため、正規に修練を積んだ武功に比べ、荒削りである。
むしろ、従来の武侠アクションよりも80〜90年代のジャッキー・チェンのアクションに近いものがある。
それでも、終盤は喬峯に匹敵する活躍を見せ、大いに盛り上げてくれる。ただ、宿敵と呼べる存在が終始いないことは残念。
また、本作品の魅力のひとつである恋愛に関しては、様々な恋愛模様が楽しんでもらえる。主人公とヒロインのストレートな愛の他に、敵同士の愛、年の差恋愛、そして本格的な大人の愛といったものが魅力的に描かれている。はたしてどれが実を結ぶかは、自分の目で確認してもらいたい。
役者に関しては、永楽帝の孫が主人公を三枚目にしてしまうほどの存在感がある。女性陣に関しては、「碧血剣」以来、個人的に全員合格点を与えられるほど魅力的な方々ばかりで、「鹿鼎記」で存在感のないヒロインばかりを集めたことを思うと、雲泥の差である。
個人的には永楽帝と、主人公の師弟(?)のキャラクターがどことなく愛嬌があって気に入っている。
個人的な総合結果としては、視聴を大いに薦められるのだが、欠点があるのも否めない。上記で示したアクションへの不満の他に、
・シーンの切り替わりが激しく(時には無駄と思えるくらい)、高まっていたテンションが下がることがある。
・武侠ドラマに多く見られる「竜頭蛇尾」が本作品にも見られる。
・何の前触れもなく、突発的に“何か”が起こることがあり、それに戸惑うことがある。
といった個人的な不満があるため、あえて星四つにさせてもらったが、それでも、買ってよかったという思いは揺るがない。