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41 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「今の日本」に勝海舟を!,
By 草子 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 氷川清話 (講談社学術文庫) (文庫)
勝海舟といえば、一般的に知られているのは、明治維新で活躍し、当時の日本に珍しく周囲の意見に振り回されず、外国に公平な目を向けていた人物というイメージだろう。だが、本書では、維新前後はもちろんのこと、維新後から日清戦争までの彼の慧眼ぶりが、みごとに記されている。日清戦争で死んだ清側の戦艦隊長はかつて勝が指導した人物だったという下りなどは、いかに彼が博識で広い活動を行っていたかということが分かると同時に、彼の人間としての苦悩が伝わり胸がいたくなる。 世界のどこかで戦争が起こり、かついろいろな意味で日本がとるべき態度を決定することが待たれる今こそ、勝海舟の世界に向けたまっさらな眼とその心意気に触れるべきではないだろうか。
26 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
稀有の見識者,
By カスタマー
レビュー対象商品: 氷川清話 (講談社学術文庫) (文庫)
全編海舟の人間味にあふれた本で、一気に読んでしまった。とりわけ驚かされたのは、日清戦争に対する評価である。福沢は言うに及ばず、鴎外、漱石、日露戦争時に非戦論を唱えた内村鑑三でさえ支持したというのに、犬も食わない「兄弟喧嘩」と斬って捨て、「大反対だったよ」とこともなげに述べている。「おれの意見は日本は朝鮮の独立保護のために戦つたのだから土地は寸尺も取るべからず」として、その代り償金をたくさんとってそのカネで支那に鉄道を敷設して、支那に交通の便を図ってやる、というのである。床屋政談の気味がなくもなく、ご隠居の放言といってしまえばそれまでだが、発想の自在さといい、バランス感覚といい稀有の人といわざるを得ない。
20 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
勝の孤独を思う,
By pp-tang (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 氷川清話 (角川文庫ソフィア) (文庫)
全編を通して、「小ざかしい知識より胆力がこそが重要である」という思想が通底しており、これこそ、数々の荒波を打ち破ってきた実践家である勝海舟から後生への最大のメッセージというふうに私は受け取った。彼自身そういう人物であったし、その自分さえも越えているのではないかと思われる人物として勝は、西郷隆盛の肝っ玉に最大の敬意を払っている。編者による解説文を読んでハッと気づかされたことがある。それは、江戸城無血開城という不可能を可能にした勝が、極限まで孤独であったにちがいないということ。戦わずして城を明け渡すなど、徳川方からみれば途方もない背信なわけである。しかし勝は、「日本にとってよかれ」という大局観に基づいて城を明け渡す判断をした。これは信念と、途方もない勇気、それに孤独に耐えるエネルギーがなければ不可能な判断だ。勝の真骨頂はここにあるという気がする。勝の業績を考えるとき、彼の孤独がいかほどのものだったかに思いをはせるのもよいだろう。30年ごしに徳川方への義理立ても成し遂げており、筋を通している。幕末の魅力ある人物群像の中で勝海舟は必ずしも派手さはないが、その生き方は尊敬せずにはおれない。
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