田村明子さんのフィギュアスケート・ジャーナリストとしての、真実をありのままに飾らずに書くという姿勢にいつも感動しています。こちらは前作「氷上の光と影」の続編になりますが、今回も渾身の1冊でした。どこの章を読んでも目からウロコです。各種報道で誇張された内容と真実との違いがどの章からも伺えて、実に興味深い濃い内容です。ジュベール、バトル、P.チャンとの4回転論争の話題、ライサチェクとジョニーの関係、高橋大輔のトリノ前のエピソードなど非常に興味深いです。男子トップスケーター達、主に高橋大輔、織田信成、小塚崇彦、エヴァン・ライサチェク、ジョニー・ウィア、ステファン・ランビエル、エフゲニー・プルシェンコに関する密着取材が章立てで紹介されてます。各選手のノービス、ジュニア時代のエピソードや、知られざる意外な選手のポリシーなどがとても深く濃い内容で充実していました。選手のモノクロ写真も多数掲載されてて(貴重なオフアイス写真も多数!)その大部分の写真は田村明子さん自らが撮影された写真で、改めて著者と各選手との厚い信頼関係に感動しました。更に取材や通訳の現場の舞台裏事情の話題に加え、著者の特別な思い出として、マキシム・スタヴィスキー、ミシェル・クワン、クーリックの事に触れており、ジャーナリストの枠を越えて選手を尊敬し、愛し、暖かく見守り続けて来た著者の姿勢に感動しました。我々ファンは囲み取材での各種報道につい誤解してしまいますが、著者は地道に選手や関係者から直接インタビューを取った「真実の生の声」を伝えてくれます。田村さんはフィギュアスケートを17年取材してきたと書かれてますが、前書きやあとがきにも選手との暖かいエピソードが紹介されてます。