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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
《刀城言耶》シリーズの第五長編,
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レビュー対象商品: 水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ) (単行本)
雨乞いの儀式の最中、衆人環視の密室状況の湖で、 儀式を執り行っていた〈神男〉が何者かに殺害される。 その後も、儀式を主宰する神社の宮司たちが次々と殺され……。 衆人環視の密室状況下での殺人という不可能犯罪の真相はシンプルかつ明快。なぜ、 わざわざ儀式の際に殺すのかという問いにも、必然性のある答えが用意されています。 また、事件後にある人物が思わず漏らした「まさか××まで、水魑様の生贄に……」 という台詞にトリプル・ミーニングを仕掛けることで、真相の伏線を張ると同時に、儀式 の異形性を浮き彫りにしているのも秀逸です。 言耶は、事件全体を推理する際、犯人の条件を七つ上げ、それをもとに消去法で犯人を 特定しようとしますが、後から事実誤認が判明したり、データの追加があったりするので、 いつも通り、事件の構図は二転三転とめまぐるしく変っていきます。 その上、編集者の祖父江偲が視点人物となった章で彼女が遭遇する怪異には、結末に 至っても合理的解決がなされず、謎が投げ出されたままの状態で物語の幕が閉じます。 本作の登場人物のなかには『厭魅の如き憑くもの』に登場した一族の血縁者と思しき人物 がいるので、もしかすると“神と神との相剋”というホラーの文脈で、本作のカタストロフィは 読み解けるのかもしれません。
8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
これぞ刀城言耶シリーズ,
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レビュー対象商品: 水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ) (単行本)
レビューではネタバレできないのが辛い所ですが、思ったことだけでも。このシリーズの中で一貫して魅力となっているのは、怪異とミステリーの絶妙な融合だったはずです。それらは単体で見れば本作でも充分に発揮されています。天井裏からの予言、湖での殺人など…。 ただし今回はそれらが互いに乖離してしまってる印象をうけました。 ただじゃあ面白くないのかと言われればそんなことはなく、「厭魅」での衝撃的な結末、「凶鳥」での壮大な一発トリックを経て、「首無」で最高潮を迎え、その続編「山魔」でも強烈な幕引きで期待に応え、そして「水魑」でもそれら作品の愛読者を裏切らない出来映えとなっています。 ぜひとも、いままで読んできた方は手にとって見て下さい。 あと、〜け。という喋り方そんなに怖くないと思うんだけどなあ。
3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
労作だが、「厭魅」の様な戦慄は味わえず,
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レビュー対象商品: 水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ) (単行本)
私は本シリーズの愛好者だが、本作のモチーフは龍神伝説とそれに纏わる儀式。奈良の盆地波美の中の東西に並んだ四つの村と各々の神社。そして、四つの村を南北に分断する深通川。村は西から順に開かれ、川の最西端は水源の沈深湖に繋がっている。全ての神社は持ち回りで沈深湖において、川の減水(氾濫時)、増水(雨乞い)を御神体「水魑」様に祈願する儀式を行なう。湖の西端には"流昇の滝"があると言う名前の凝り様。各神社の宮司は「神男」と呼ばれ、過去、度々儀式の際に命を落としたと言う...。
波美で絶対的権力を誇る最西端の水使神社の「神男」龍璽。水使神社の"一つ目蔵"には生きた「水魑」様が棲むとの噂さえおぞましい。また、沈深湖中には"水魑様の口"があって、神男を喰うとの噂も。"神"が持つ対極の属性「信仰と畏怖」の象徴であり、神社間の確執の暗示でもあろう。減儀と増儀との難易度の差異も伝奇・科学的に良く考えてある。そして簡潔に語られる13年前の増儀の際に龍璽の代役を務めた長男龍一の不可思議な死。更にこれを引き継ぐ形での、龍璽の養女左霧(神云櫛村出身!)の息子正一の回想談。幻想的な記述の中に、水使家・水魑様の秘密の奥深さと左霧一族の霊性が伝わって来る。泥女、鬼女、ボウモンと言った小道具の用法も巧み。ここで話は(作中の)現代に繋がり、刀城の眼前で起こる増儀の際の湖上密室事件。ここでも龍璽は代役に次男龍三を立てており、13年前の相似形。う〜ん、殺人と仮定するならば方法は「***」しか有り得ないのでは...。続いて起こる、「神男」龍吉朗・辰三の連続殺人と流虎襲撃事件...。 600頁近い労作であり、本格ミステリ的には良く出来ていると思うが、「厭魅」が与えてくれたゾワゾワする戦慄は味わえなかった。舞台設定、特に左霧を登場させている点を考慮すると、もっと禍々しい解決でも良かったのではないか。
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