何と言ったら良いんでしょう? 普段、オチャラケているばかりで、ロクに勉強もしてなそうな学生が、卒研レポートになったら、予想に反して真面目に素晴らしいものを書いてしまった……そんな感じです。(私の知っている限り)著者唯一の非脱力系力作!『ホラー・ガイド・ブック』でも「彼の作品にしては珍しくダジャレのない…」と評しています。著者としては、*生まれて初めて*九州まで取材旅行というものを決行したそうで、それが随所に生きています。さり気な~く、書かれている文1行1行が実に内容が濃いです。私は、徹夜までして、三日間で読み切ってしまいました! 読後、良~く考えて見ると、彼らしい無理矢理のこじつけ(設定等に…)もあるのですが、読んでいる間は、それを感じさせないのは、著者の筆力でしょう。全体としては、本格的社会派伝記ホラーなんですが、所々に、田中啓文らしい脱力的コミック・レリーフも散見され、それらがまた、実に効果的です。普段のダジャレ・ファンタジーも大好きですが、この作品は、田中さん一世一代の傑作と言えるでしょう。