両替商板倉屋のひとり息子伊之助が、誘拐され殺された。だが、事件はこれだけで終わらな
かった。その後も誘拐事件は次々に起こった。探索を重ねた結果、東吾たちはやっと手がかりを
つかんだのだが・・・。表題作「水郷から来た女」を含む9編を収録。
「水郷から来た女」では、幼い子供たちが次々に犠牲になる。抵抗することが出来ない幼い者を
かどわかし命を奪う。物語とはいえ、そのむごさは読んでいてつらいものがあった。
「秋の七福神」では、人は見かけによらぬものだということを、つくづく感じさせられた。悪人たちの
したたかさ、いや悪人だからこそのしたたかさには憤りを感じる。
「桐の花散る」は、一番印象に残った話だった。4つのときに行方知れずになった娘。そして、その
娘を25年もの長い間探し続けた父。娘の人生が哀れで、ラストはあまりにも切ない・・・。
今回も心に残る話が多かった。今後がますます楽しみなシリーズだ。