文庫版『水滸伝』の全19巻中7巻目で、序章も終わり梁山泊と官軍を支配する青蓮寺との雌雄を決する戦いはいよいよ本格化する。毎月1冊の発刊は真綿で頚を絞める拷問の感があり、ハードカバーで全巻を揃えたい(中古で)という気持ちが何度も募った。それを抑えるために再度1巻から読み直すこととした。
敵味方双方の相関図がかなり頭に入っているので物語の深みが増し、少し違う読み物のような印象を受ける。展開が判っている安心感からか焦らずに読み進めることができ、特に戦闘シーンなどで前回読み落としている部分が結構見つかった。再読は大いに意義があったので、同病の諸氏には是非ともお薦めしたい。
ここまでを総括すると、如何にして梁山泊が築かれていったかという変遷なのだが、むしろ好漢たちの生き様の方に印象が強い。林沖や武松の苦悩も壮絶なのだが、私の場合は楊志に尽きる。「楊一族」に興味を抱き平行して同じ北方の『楊家将』を読んだが、楊業といい楊志といい何という存在感であろう。
今後の展開の中で楊令の成長記が柱の一つとなるのは望むところで嬉しい限りだが、ようやく気持ちが治まったかに思われた矢先に『楊令伝』が発刊された。いくらなんでも「後水滸伝」とも称されるこちらを先に読むわけにはいかず、これでは新たな拷問ではないか・・・。世の中にはつらいことが多すぎる・・・。