褒め上手である。例えば、河野与一『新編 学問の曲り角』を取り上げ、河野の説く語学学習の秘訣は「空ッポの時間」だという話を紹介する。そして「なるほどと感服するが、結局、ラテン語をすすめられるのだから恐れ入る。恐れ入るけど、おもしろい」という評者のオチ?がつく。同じこの書を評しても、プラトニック・ラヴはギリシアの少年「愛」が本源だと指摘する、本サイトのレビュアー小谷野敦氏とは対照的である(小谷野氏も「昭和4年発表という時節のせいか」と前置きするが)。梅原猛を「かなりアクの強い」思想家と言い、彼の『歎異抄』訳を「額と手のひらに汗をにじませながら書いたような文章である」と評する。なお、狐氏の賞賛にのせられて?幾冊か購入した本の一部には失望した、念のため。