私はあまり小説は読まない。しかし、週刊新潮に本書の広告があり、
読書家の俳優児玉清氏が、たしか「こんな大人の小説に出会いたかた、、
一筋の泪が流れた」こんな感じのコピーが目にとまった。
普段児玉氏の感性に共感するところ多とする私でしたので、また、
S&Gの佳曲と同名のタイトルにも惹かれさっそく購入し読みました。
児玉氏のコピー通り、読み進むうちに、幾たびが泪が頬を伝いました。
40代以降の方でしたら、自分の人生と照らして、ハッとする場面
多いと思います。安っぽいオセンチ泪でもなく、お涙頂戴ものでもあり
ません。しっとりとした心を潤す泪です。(私は40代半ば)
無限の可能性が開けているような独りの人間の人生、、しかし、
実人生は、空間的にも時間的にも制約され限界付けられたものです。
そんな独り独りの限界付けられた人生にも、かけがえのない登場人
物、かけがいえのない時代背景が交錯し、振り返ればささやかな世界で
たったひとつのドラマが展開されてきたわけです。
本書では、時代背景として1970大阪万博であり、登場人物としては、
当時の恋人の朝鮮人の兄と、妹、、現在の夫と娘夫婦、、両親。
本書は、あなた自身のかけがえのないささやかな人生ドラマと
シンクロしながら読み進むことになると思います。
また本書の文体は、私の中にヴィヴィッドな映像を写し続けてくれました。
京都の雨の音もその冷たさと共に聞こえたし、
万博のフィナーレ後の太陽の塔の廻りの熱気も体感できました。
また懐かしくて切なすぎるほど当時流行ったポップスの歌声も心に流れました。
あなたの、わたしのささやかな人生が、そして、今の時代が、廻りの
人々が、あなたの大切な人が愛おしくなる小説です。