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水戸岡鋭治の「正しい」鉄道デザイン―私はなぜ九州新幹線に金箔を貼ったのか? (交通新聞社新書)
 
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水戸岡鋭治の「正しい」鉄道デザイン―私はなぜ九州新幹線に金箔を貼ったのか? (交通新聞社新書) [新書]

水戸岡 鋭治
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

九州新幹線「つばめ」やJR九州の特急列車を中心に、常に話題作を発表し続けてきたデザイナー・水戸岡鋭治。ユニバーサルデザインやバリアフリー対策、さらには地産地消的考えをも取り込んだ、彼の独特な鉄道デザインの原点にあるものを、個々の「仕事」を通して展望する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

水戸岡 鋭治
1947年岡山県生まれ。岡山県立岡山工業高校デザイン科卒業。1972年、ドーンデザイン研究所設立。建築・鉄道車両・グラフィック・プロダクトなどさまざまな分野のデザインを手がける。なかでもJR九州の車両・駅舎のデザインで、国際的な鉄道関連デザインの賞であるブルネル賞など数多くの賞を受賞。ほかに岡山電気軌道の路面電車「MOMO」、和歌山電鐵の「たま電車」「いちご電車」、富士急行の「富士登山電車」なども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 198ページ
  • 出版社: 交通新聞社 (2009/08)
  • ISBN-10: 433008709X
  • ISBN-13: 978-4330087092
  • 発売日: 2009/08
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By チャックモール トップ500レビュアー
形式:新書
JR九州の駅に一度でも行ってみれば、そこを発着する列車が発する「オーラ」が明らかに違うことがわかる。
新幹線、特急はもちろん、鈍行列車さえも何かが違う。
斬新で力強く、でも、不思議と周囲と調和している・・・そんなデザインだ。

そんなデザインの生みの親・水戸岡鋭治氏のデザイン観が縦横に論じられるのが本書。
自身がなぜ鉄道デザインに関わったか、という始まりから、今までデザインしてきた列車のこと、そして最新の「つばめ」まで、読みやすい文章で語り下ろされている。

心に残ったことはいくつもある。
一つは、水戸岡氏が決して独断型の人ではなく、周囲の人を「巻き込む」ことにとても長けているということ。
むしろ、周囲の人を巻き込まなければデザインはうまくいかないと言い切っており、人間関係をとても大事にしている。
そのため、規律や礼儀にとてもこだわっており、事務所の始業時間もとても早い(朝の早い鉄道会社からの問い合わせに答えられるため)。
「デザイナー」というもののイメージを覆された思いがした。

もう一つ、不覚にも私は本書を読むまで知らなかったのだが、氏は車両だけでなく、駅や駅弁の包み紙といったものまでデザインをしており、そういった「鉄道を取り巻くすべて」を総合的にデザインしようと試みていることだ。
(知っていれば、行ったときにちゃんと見たのに・・・)

ともあれ、「この人にしてこのデザインあり!」そう思わせる一冊。お勧めです。
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形式:新書
水戸岡氏の一ファンとして本を手に取りました。

いまや列車デザイナーの第一人者の位置にある同氏の考えを知るべく読み進めると、列車のデザインというのはあくまで表面的なものであり、その深層には地域への思い、利用者に感じてもらいたいこと、デザインだけで観光資源になるものではないということ、などなど、水戸岡氏そのものの人間性を読み解くことができました。

ひとりの仕事人としての水戸岡氏の考え、上司たるもの、部下たるものの立ち居振る舞いなどの、社会人としての品格にも触れる内容で、鉄道好き、デザイン好きに限らず、いろんな立場の方におすすめできる一冊です。
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13 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ワクロー3 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 長崎発小倉行き、特急「つばめ」の豪華そうな黒い人工皮革製の座席を、ウエットティッシュで拭いたら、真っ黒になった。

 うげ、きたねえ。気になって、広範囲に拭いたら、何枚取り出して拭いても、激しい汚れだ。JRの野郎め。清掃くらいしたらどうなんだ。

 そう思ったのだが、注意してみると、座席だけではない。美しいデザインに隠れてよくわからなかったが、木目の床も汚れているし、曲面処理してある、白い内壁も汚れている。それどころか、書の作品を掲示して、おしゃれに処理している、通路連結部分も、あらゆることろが、清掃が行き届いていないのだ。

 これって基本的には、JRの問題なのである。

 でも、かつての特急車両で、これほどまでに不潔な状態が目に付いたことがあっただろうか。なかった。

 これはつまり、この列車が採用したデザインそのものに、必要な機能以外の余計な装飾が施されていることが直接的な原因なのだと、考慮せざるを得ない。

 「白いつばめ」に関していえば、人工皮革を採用して、上半身におしゃれな黒帯で巻いている装飾や、乗車券を入れておくポケット。なにより、座席のデザインそのものが、はなはだ清掃しにくい作りになっているとしか思えない。

 簡単には清掃ができず、清潔を保つことに、多大な労力が必要になるからこそ、JRの清掃作業が行き届かなくなっているのだ。

 無味乾燥な列車車両に自由なデザインを施して、美しく劇的に変身させて、乗客や子供たちに夢を与える。その職能を貶める意図は、ないけれど、最近、水戸岡デザインの車両に対する、実用性の低さを、誰かがどこかで注意していたほうがいい。

 そう、思うようになってきた。

 列車車両や車内は、毎日連続で使用する実用品である。装飾品ではない。だとすれば、日常車両に求められるのは、夢や装飾ではなく、実用的な機能。その果てに導かれる「機能美」こそが、デザインなのではないのか。

 デザインの本質を誤っているからこそ、不適切な素材、汚れやすく清掃しにくい素材を多用し、同時に、実用からはかけ離れた、幼稚な美学を追求しているのではないのか。そうも思いたくなって来る。

 そう考えると、「白いつばめ」を例にあげると、座席の形状と素材は、清掃には不適切であり、床に板材を使う場合は、乗客の移動方向と同じ縦の列線でなければならない。あるいは、板材の採用を見直して、ありふれたリノリウム床に戻すべきだ。連結部分のこざかしい装飾は不要で、座席数を確保してほしい。列車内面下部の内側に回り込む曲面は、できるかぎり直線にしてほしい。なにより、汚れがつきにくい壁面であってほしい。

 つまり水戸岡さんの装飾(あえてデザイン=機能美とは言うまい)とは、、完成時に最も美しい現代建築のように、年月を経るに従って、劣化と愛着が薄らぐ美しさというほかない。

 「白いかもめ」を降りて、門司港の九州鉄道記念館に陳列してあった、日本車両製造の日本国有鉄道 クハ481 603号、特急「かもめ」(昭和30年代に就役)の内装を改めてみると、簡素な中に、実用性が高い、もちろん清掃しやすいので清潔感が常にある。今見ても古びない機能美だ。

 水戸岡さん。これからは、使い込まれるほど美しくなる車両デザインをお願いします。
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