水彩画というよりも、絵画、それも大人の趣味としての絵画初心者の方に強くお薦めできる本です。技法本としてはページ数は少ない方かもしれない。100ページちょっとくらい。
まず、最後の画材のそろえ方とその解説方法が完璧でこの通りにすぐはじめられます。ほかの書籍は、何かはしょってあってどうしても不完全燃焼的な感じがぬぐえない、この本は安心してついて行けます。
また、勉強の進め方ですが、お手本をまねして描いていくというタイプではなく、モチーフを実際にとらえるところから順にコツを解説していく。読んで楽しい本です。それに、つかず離れずの距離感がいい。そして、その画が風景画主体ですが、とても暖かく、勉強してみようという気にさせてくれます。最も参考になるところは、本の中盤付近に解説してある、風景を簡略化してラフにスケッチしてさくっと着色しているところでしょう。こういう練習を織り交ぜている本は少ない、どうしてもリアルに、あるいは芸術的な方向へと先走って行く本が多い中、あえて中盤でラフを取り入れているあたりが、絵心をくすぐる。リアルにこの先生に習ってみたい気さえ沸いてくるような本です。
初心者向けとしては、手放しで、お奨めできます。まずは、読んでみてください。