「『水中JOE』は、我々の脳漿の海を泳ぐ『精神ウイルス』である。未だ使われていない脳の、
ある部分に寄生して、あらぬ方向へと我々を導いてくれることだろう。」
ブックレットからの引用だが、「精神ウイルス」という表現はこのアルバムの本質を
ものの見事に表していると言える。
このアルバムの音楽は耳に入った瞬間からキラーチューンとなり、我々の脳を蝕み、
やがて海底へ引きずり落としていくかのような特殊な力を持っている。
脳をシャワーで洗っているかのような「22次元」、
酒に酔いつぶれたような調子っぱずれの「BLUES FOR TURN TABLE」、
いつまでも耳にまとわりついて離れることの無い「ROUTE 99999」など、
サイケデリックのような、それでいて実験音楽の原型を残す曲ばかり。
歌モノの「太ッ腹」、「第三ROCK」なども聴き所だ。もちろん山本精一特有の面白みも健在である。
最終トラックの「SEA MONK」を聴く頃には、目眩がする程の音の錯乱に打ちのめされていることだろう。
あと、これはヘッドフォンで聴くのが正しい聴き方であると、ブックレットの方にも書いてあるので、
出来るだけ音楽プレーヤーで聴くことをおすすめする。
余談だが、このアルバムのブックレットは面白い。それぞれの曲に丁寧な説明が付いていて、
もちろん歌詞のある曲の歌詞もちゃんと載せている。
ところどころに散りばめられたアートもユニークだ。
近年の再発のガサツな傾向を考慮すれば、今回のHQCDリマスターは大変良心的だと思うので、この機会に是非。