一言で言えば、『水資源に関する限り、日本が資源大国に“なりうる”』ということを丁寧に記述した
良質のビジネス書であり、啓蒙書・教養書です。
“なりうる”という筆者の想いは、現状の日本の上下水道の経営体質の現状とその問題点に集約され、
その過程において、海外各国の例、また、水メジャーとしてのビジネスの紹介を順々と手際よく記述
しており、非常に説得力のある構成になっています。
しかし圧巻なのは、この本の8章以降、13章までが、上下水道の歴史と基礎を初歩から解説していて、
ありがちな『水ビジネス書』でなく、本当の基礎からの教養書にもなりえている点です。
筆者自身が、序文で“水ビジネスの基礎知識、すなわち上下水道の歴史、技術、水質問題はここに
まとめたので、初心者はまずそこから読まれたい”と明記しているところです。上・下水道を同時に
キチンと掘り下げて描いているこの後段部分(ページ数にしても約半分)だけでも十分な教養書・教科書
になりうるところが凄みというか、筆者の『本気度』を実感できます。