ポンプで地下水を汲み上げたり、ダムで水を蒸発させたりするより、雨水を利用し、地面浸透で地下水面を上げることの有効性が、世界中の事例で述べられています。
小生の印象に残った点は以下です。
・農業は、生活用水より、多大な水を使う。
・ハンバーガー1枚(114g)に11,000Lの水が必要。仮想水を食品に表示すべき。
・イスラエルは、ヨルダン川の水源地を確保するために「六日間戦争」を起こした。
・上流・下流の水争いは、戦争の要因になる。(インド/パキスタン)
・ダムやコンクリートの護岸は、経済効果がマイナス。湿地や氾濫原が、農業や漁業などで地域経済に多大な恵みをもたらす(カンボジア)
・ベルリンは、条例で排出水を規制している。ビルは雨水を溜め、水洗トイレ等に利用。地面に染み込ませるのが大事(ドイツ)
・「自分が使わなければ他人が使う」と不可逆な地下水をポンプで汲み上げ地下水面をどんどん下げて川を枯れさせるのは「共有地の悲劇」(インド)
・ダムは、運用によっては大きな洪水を引き起こしている(中国)
・ダムがあると肥沃な土が下流に流れてこない。
・ダムや用水路からの水の蒸発量は多量。地下水路(カナート)は有効(イラン)
・ロサンジェルスでは、はるか遠くから水を引いてきているが、雨水を利用しようという動きがある(米国)
・多くの水を撒けば、地下の塩分が上昇し、土地が使えなくなる。点滴農業が大事。
・アイスキャンデーの安い連続ビニール袋を点滴農業に使う(インド)
・1平方メートルからの収量を競う「緑の革命」ではなく、一滴の水からの収量を競う「青の革命」へ。
本が厚い割りに、まとまりが今一つなのですが、事例を調べて回った著者には感服します。