日本で初となる環境に配慮した地下ダムを台湾で造った民間技術者・鳥居信平の活躍を描いたノンフィクション。戦前の土木水利技術者の崇高さ、使命感と共に、科学と道徳感に根ざした技術力を通じて、シビルエンジニアとしてあるべき姿を改めて考え直してみたい人に是非お勧めの一冊。加えて、日本と台湾の深く複雑な歴史、また公益や人類愛という信念を貫いて仕事に徹する戦前の日本人技術者の生き様に触れることができる貴重な内容。関係者に対する丁寧な取材、そして川に関わる専門家でも満足できる技術解説をバックに、本書全体に敬意と温もりを感じ素直に感動することができました。