数年前、この著者の講演を聞いたことがあった。赤いスーツ姿でヒステリックな程に訴えかける富山学のスケールと迫力がたいへん印象的だったことを覚えている。その内容は本著と同じく、水と緑と土は同義語だという考えに貫かれていた。
「・・・現代社会と自然とのかかわりかたを問うこの漠として奥行きの知れぬテーマに、私が一個人としての微力さをかえりみずあえて取り組むことになったのも、ひとえにその作業の必要性と緊急性のゆえ・・・」とし本著のあとがきにて各分野の方々のさらなる研究を呼びかけている。
本当にいつの頃から私たちはコミュニティーを失い、経済効率や利便性を求める都市化へと生活の基盤を転化させ自然への理解を見失ったのか。この国だけでなく由々しき事態が地球規模にまで膨らんでいることを思えば、本著の示唆する意味と問いかけは大きな説得力をもっている。