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5つ星のうち 3.0
よきかな, 2004/10/27
レビュー対象商品: 気狂いピエロ [DVD] (DVD)
内容については多くの方がすでに述べているので、ここではディスクの 仕様等についてのみに留めます。ゴダール作品の中でも『軽蔑』と並んで 比較的長尺の部類に入る作品ですが、片面一層の仕様のためどうしても 夜の場面などでブロックノイズが散見されてしまいます。1999年という 比較的初期に発売されたという事も最近のエンコーディング技術の飛躍的 進歩から較べると条件が悪くなってしまうのも仕方ないところですが、 スクイーズ収録なのはうれしい。 字幕翻訳についてですが、以前発売されて いたヴィデオテープ(柴田駿氏による翻訳と山田宏一氏による監修)での 情感あふれる字幕と比較すると所謂直訳調で少々不満足。 OFFにすればよいだけのことですが…メニュー画面はチャプターが 全部表示されておらず、親切さという点では今ひとつ。 本当に好きな作品だからこそ高品質の商品を望みたいというのが 正直なところですが、名作とはいえハリウッド作品のように大量に売れる 商品でもないのでレストアにお金をかけるのは現実的に難しいのかも しれませんが、来年は本国公開40年と言う事もあり、今からでは無理でも 願わくば日本公開40周年となる2007年にあわせて高画質版の発売などを 望みたいところです。
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5つ星のうち 5.0
日常の倦怠と閉塞から脱出して、破滅へと突き進むエクスタシー, 2011/9/1
レビュー対象商品: 気狂いピエロ [DVD] (DVD)
我が青春の映画と言えば、これにとどめを刺す。 私の同年代だと、20回見たとが30回見たと言う人がいっぱいいるはずだ。私も総計24回くらいは見ているはず。 ヴィデオやDVDなどない時代。 朝から夜まで、映画館で座っているのだ。映画館で吸うタバコの味もそうやって覚えた。 1度見て席を立つ気にはとてもなれない。 難解な芸術に必死で食らいつこうとする、健気さが、我ながら微笑ましくもある。 冒頭、ベルモンドがバスタブの中で読み上げるベラスケス論の一説、 「ベラスケスは50歳でもはや事物を描こうとはせず、黄昏の光と共にオブジェの周辺をさまよい物質 の影と面に息づく多彩な動悸を沈黙の交響楽の見せざる核とした・・・」 私は何故か、ずっとこれはフーコーの引用だと思い込んでいた。 フーコーに始まり、ランボオで終わる。 しかし、フーコーではなく、エリー・フォールという美術史家の文章だそうだ。 日常の倦怠と閉塞から脱出して、破滅へと突き進むエクスタシー。 よく分からんとこも多いが、奇跡的な傑作であることを体感せざるをない、魅力に満ちた映像、エピソード、 言葉。何十回見ても、そのたびにある新たな発見。 そして、ラムボオによる結末、何たるかっこよさ。しびれる。 世界が終末をむかえるのも、自分が死ぬのも、個人の人生にとってはほぼ同義であるとすれば、私の 終末フェチ体質は、このようにも醸成されていったのだった。
5つ星のうち 5.0
誰にでもあり得る可能性, 2012/2/7
レビュー対象商品: 気狂いピエロ [DVD] (DVD)
大学生の私ですが、この映画との出会いは大学講義の資料として見たことでした。 最初に見たときから虜になって以来DVDを購入して事あるごとに繰り返し見ています。 ジャンポールベルモンドとアンナカリーナはとても生き生きして画面を動き回っていてとても半世紀前につくられたとは思えない新鮮さを放っています。 内容はちゃめちゃで殺人、逃亡、暴力など劇的にかわるシーンを演じていき最後はベルモンドがカリーナを射殺して自らもダイナマイト自殺するというショッキングなもの。 パリで出会った彼らが様々な社会的逸脱行為を行いながら最後は南仏で死を遂げ、ラストカットで残るのは、南仏の海と2人の声で読まれるランボーの詩、そんなシナリオに加え、ジャンリュックゴダールのカメラワークや編集、音楽、ファッション、原色を最大限に使う照明。そのどれもが彼らの人生をドラマスティックに色を添えています。 そんな中で私が感じたのは、このような一見、非現実的で劇的なシナリオはだれの人生にも起こりえるんじゃないかなってことです。 私たちは、パリで暮らしていたフェルナンドと同様にここ日本でいたって普通の生活を送っています。時として、私たちはそんな毎日決まったことの連鎖、同じ作業の繰り返しといった生活に嫌気がさし、倦怠感や閉塞感を覚えて、そんな閉塞感をいかにしたら打ち破ることができるのだろうかと模索することが多々あります。虚構や欺瞞に満ちた現在の生活に飽き飽きした私たちにとって「気狂いピエロ」のベルモンドとカリーナの歩んだシナリオは一つの答えなのではないかななんて思います。 私の閉塞した鬱蒼といた日常もラストシーンのようにダイナマイトをぐるぐる巻きにして爆発させてしまいたいと思えるような衝撃的な映画でした。
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