雑誌「ブリオ」を読むような新人類世代には特に懐かしい、「気まぐれコンセプト」23年間の集大成。で、なぜ今23年という中途半端な時期に出すかというと、映画「バブルヘGo!!」の宣伝だから。(この映画のアイディアが何年か前の「気まぐれコンセプト」に掲載されている)
ホイチョイ、という妙な名前だが、ホイチョイ・プロダクションのメンバーは元々、東京・吉祥寺の北にある「成蹊学園」の小学校からの同級生で、子どもの頃「ホイチョイ帝国」という架空の国を創って遊んでいたから、らしい。今は安倍首相の出身校として知られている同校は、戦前三菱財閥の子弟を学ばせるために創設されたお坊ちゃん校。イメージだが、一般人が普通に偏差値基準で受験する慶応・立教・学習院・青学よりもお坊ちゃま純度が高そう(成城学園や玉川学園と並んで)である。
馬場康夫監督も日立製作所創業者の一人で副社長だったお祖父様を持ち、お父様は東大工学部卒で日立の幹部、自身は日立宣伝部勤務のサラリーマン経験がある(やはり安倍首相っぽい)。この時電通のクリエイター(本書に登場するヒライのモデル。顔がそっくりらしい)から遊びの薫陶を受けたのがこの「気まぐれコンセプト」の元となったらしい。
そのせいか、なんとなく東京人特有の「衒(てら)い」や「皮肉っぽさ」が漂う不思議な漫画である。広告業界人と一緒に遊びながら、完全には一緒にならず、「田舎モノ」の遊びにかけるパワーには驚嘆しながらどこか小馬鹿にするという…
ここから派生した「見栄講座」という本があった。バブル前夜、サーフィンやスキー、テニスが流行った当時、いかにして通に見えるかを指南した実はパロディ本である。恐らくこれも東京に進出してくる田舎モノパワーを馬鹿にしたものだろう。
いずれにせよ、これだけのヴォリュームで東京の風俗(流行という意味で)をまとめたものは漫画以外でも少ないのではないか。電車の中では重過ぎて読めないので買って家でのんびり読む事をお勧めする。一連のホイチョイ・ムービーを見直すともっと気分が盛り上がるかもしれない。