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彼女のエッセイは、他のユーモアエッセイとは違って、「ほらほら面白いでしょ(笑)」というわざとらしさ、イヤミがない。彼女自身もとほうにくれているような感じが、はたから見て笑いを誘うのだ。また、最初は真面目な身辺雑記風に始まったエッセイがとんでもないシュールと狂気のかなたに行ってしまうような技にも唸らせられる。
私の特にお気に入りの話は、きのこ尽くしの悪夢を描く「『国際きのこ会館』の思ひ出」、よくある懸賞・クイズに間違ってしまう「お約束」を読み取れない人々について考察した「マイナーな人々」、自らの存在感の薄さ嘆く「透明人間と宣告されたら」、不思議な短編小説風の「トモダチ」などである。
まあ、だまされたと思って読んでみてください。
それにしても、よくここまで鮮明に自分の幼稚園時代のことを記憶しているものだ、と少し羨ましい。わたしにはどんなに遡っても小学校時代の頃のことしか思い出せない。
ひとつだけ、この本を読んでみようと思われる方に忠告したい。くれぐれも電車の中で読まないように!特にほどほどに混雑している都内近郊の路線は要注意だ。わたしは某作家の自伝を周囲の同じような忠告を「大丈夫、大丈夫」などとタカをくくって、川崎を走るN線内で読んで思いっきりふきだしてしまい、大恥をかいたことがある。
そのくらいこの本は面白い。そして危険だ。
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