本書は私も愛読している週刊文春の名物コラム、<本音を申せば>の過去1年分をまとめた物です。こうして成書になると、毎週読んでいる時と違った物が見えてきます。タイトルが<気になる日本語>ですから、これに関するコラムがメインだと考えられます。
小林さんは、悩ましいという言葉の使い方を例に挙げて、日本語の乱れを指摘しています。本来この言葉は、官能が刺激され平静でいられないという意味で使われるべきですが、昨今は、○○党の動きははっきりせず悩ましいという様に使われる事が多く、違和感を覚える・・・同様に、いきざま、ひもとく等の使用法もおかしいと述べています。
そして、小林さんと言えばやはり芸能、映画に関するコラムです。森繁さんは、実はテンポの早い歌も得意だが、マイ・フェア・レディでは、ヒギンズ教授の歌でギブ・アップしたとか、松方さん北大路さんは、殺陣の基本が出来ていて信用できる時代劇俳優だとか、双葉さんを最後の映画評論家と呼ぶほど信用していたとか、香川登志緒さんは、TVの題名に<ん>が入っていないとヒットしないと考えていた事等色々面白い事が書かれています。そういえば、旬の女優3人として、貫地谷さん、綾瀬さん、堀北さんをあげその他長澤さん、加藤ローサさんもお気に入りのようです。・・・しかし、美女というかアイドル好きですな!!翻ってベスト男優は、J・ギャグニー、K・グラント、三船といたってまとも?です。また、C・イーストウッドに対する敬愛の念は相変わらずです。そして、先頃亡くなられた谷さんですが、馬が合ったようで60年代は、しょっちゅう会っていたようです。小林さんは、谷さんの著作<ふたつの月>を彼の本質が出ていて面白いと述べています。(私もレヴューしています)長々述べてきましたが、小林さんの一番良いところは、自分で見聞し体験した事に基づいて、中立的な眼で物事を見て、客観的述べているという事です。これは非常に貴重な事だと思います。最後に御高齢?ですから、ご自愛されて、末長く活動される事を切に望んでいます。