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民間軍事会社の内幕 (ちくま文庫 す 19-1)
 
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民間軍事会社の内幕 (ちくま文庫 す 19-1) [文庫]

菅原 出
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

イラク戦争の際に登場した「民間軍事会社」は、究極の国家行為である戦争のイメージを大きく変えた。彼らの事業は、要人警護はもちろんのこと、戦闘地域でのロジスティクスから捕虜の尋問、メディア対策、さらには正規軍のカバーに至るまで多岐にわたる。その実態はどうなっているのだろうか。今なお拡大しつづける新ビジネスの全貌を、各企業や米軍関係者への取材をもとに描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

菅原 出
1969年、東京生まれ。中央大学卒業後、93年から98年までオランダに留学し、アムステルダム大学に学ぶ。在蘭日系企業勤務、東京財団リサーチ・フェローなどを経て、現在は国際政治アナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 309ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/6/9)
  • ISBN-10: 4480427198
  • ISBN-13: 978-4480427199
  • 発売日: 2010/6/9
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本著そのものは、今から数年前に書かれたものですが、
当時”バブル期”にあったイラクで活動するPMSC's(民間軍事・警備会社)の状況を知る上で、
不可欠な情報、用語、企業が網羅されている名著です。

政府が行っていた事業が次々と民間委託されている今日…。
究極の外注が”戦争”。

今後、日本の防衛の行く末も同じ道をたどるのでは?
という、一石を投じる作品でもあると思います。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 左党犬 トップ500レビュアー
形式:文庫
この本を読むまで、わたしはPMC(=Private Military Company:民間軍事会社)は傭兵ビジネスなのだと思い込んでいた。どうも『戦争の犬たち』や『ワイルドギース』の印象がつよすぎて、同じようなものだろうと思い込んでいたのだ。思い込みほど怖いものはないと痛感している。実際は、正規軍では対応できない要人警護やロジスティックスなどの業務を請け負うアウトソーシングに近いようだ。とはいっても、活動場所は戦場の最前線だ。半端な業務ではない。

民間軍事会社は、冷戦崩壊後の環境変化によって国際紛争の内容が変質した状況に対応して急速に発展したあたらしいビジネスだ。本書によれば米国と英国、そしてフランスという世界の軍事先進国の退役軍人たちがたちあげたビジネスである。

PMCが一気にブレークしたのは、2003年にはじまったイラク戦争である。ブッシュ政権のもと戦争に突入したアメリカは、戦争の大義があやふやなままの状態であったため、犠牲者数をミニマムにするためには限られた数の兵員で戦うことを余儀なくされた。その結果、正規軍の補助としてPMCを積極的に使用することになったのである。つまり、需要と供給がそこに見られるのであり、21世紀に入ってから急激に成長したビジネスでもある。

どんなビジネスもそうだが、ひとつの産業が誕生してからしばらくは、有象無象(うぞうむぞう)が参入してきて混戦状態となるものだ。しばらくすると、正常化のために企業同士でコミュニケーションがとられるようになり、悪質な業者が淘汰されていく。つまり一つの産業として確立し、認知されていくのだが、PMCもまた同じプロセスをきわめて短期間のうちにたどったことを本書で確認することができる。

発展途上国の安い労働力を利用することで成立しているPMC。先進国と発展途上国のあいだに存在する経済格差、人件費格差が、PMCビジネスを成立させていることも指摘されている。つまり、きわめて資本主義原則に則ったビジネスであるわけだ。

武装しながらも軍人ではないPMC社員はシビリアンである。この法的にはきわめてあいまいな存在が、ときに大きな軋轢を生み出すのであるが、著者によればいまやPMCの存在抜きに国際紛争解決は不可能であることが納得させられる。自衛隊による国際平和維持活動の中心は施設部隊によるインフラ建設が中心だが、このような業務もまた民間の建設業者のほうが効率的といえば効率的だ。そう考えると、日本の国際支援のカタチも将来的には変化していくと考えてもいいのかもしれない。

マスコミ報道されながらも実態のよくわからないPMCについて、読者の蒙を啓いてくれる良質なレポートである。
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By Fernald
形式:文庫
私は本書についても筆者についても何も知らなかったが、これは名著だ。ポスト冷戦時代の脅威の多様化により、政府のみでは脅威への対応が難しくなりつつあり、かつて政府が行っていたことが、PMCと呼ばれる民間軍事会社へと委託されていること、そしてこれが様々な反響を引き起こしていることを、緻密な取材と実体験によって詳らかにしている。PMCは欧米では市民権を獲得しているが、日本ではまだまだ知名度が低い。そのような日本の読者にも理解できるように、本書はとにかく丁寧に、PMCが生まれた経緯や活動状況について説明している。基地での給食や警備といった業務の一部を民間委託するということは自衛隊でも行われていることだと思うが、米国ではこれらに加えて在外公館の高官の警護や、さらにはインテリジェンス活動の一部まで民間委託されていることを本書で知り、驚いた。筆者はPMCと豊富な人脈を有しているようだし、PMCが提供している訓練に実際に参加したことがあるとのことで、とにかく文面に臨場感が溢れているのがいい。

本書を読むと、いろいろなことを考えさせられる。まず、欧米諸国で今後もPMCは右肩上がりの成長を続けて行くのだろうか。本書はイラク戦争の終結やアフガニスタンからの連合軍の撤退の道筋がついたことを受け、PMCの将来には不透明なところがあると指摘してはいるが、欧米諸国の財政赤字を踏まえれば軍事やインテリジェンスの民間委託は今後も進んで行くと考えられる。また、欧米諸国では兵力の削減が行われており、民間に活動の場を求める軍人は増える一方だろう。さらに、サイバー攻撃に代表されるように、脅威の多様化は進み、政府のみで安全保障を確保することは一層困難になりつつある。PMCのプレゼンスは今後も大きくなっていくのではないだろうか。そして、日本の安全保障はどうなっていくのだろうか。日本も欧米諸国の課題を基本的に共有しており、PMCが隆盛する環境にはある。しかしながら、軍事アレルギーが依然として根強く、PMCに対する風当たりは欧米以上に強いと思われる。PMCに対するニーズが高まりつつある一方で、PMCへのアレルギーは強いというジレンマの中で、日本は将来の安全保障を考えなくてはいけないのである。
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