第4版では、第3版から、以下のような変更点があります。
○一般社団・財団法の制定・施行にともない、法人部分が修正されています。これまであまりなかった会社法との比較もなされており、法人法入門としての位置づけが明確になっています(ところどころに、江頭(第1版)、神田(9版)が脚注で引用されています。)。また、組合と社団の峻別論に対して、これまでも批判的でしたが、民法典から社団という概念が消えたこと、組合的な合名会社の存在(会社法制定前からありましたが)等から、峻別論は理由を失ったとします。
○背信的悪意者論のところでは、最判平成10年(第3版でもコラムで掲載)、18年判決を掲載し、背信的悪意概念の柔軟化について、説明が増えています。これは、内田先生の問題意識と合致するためとも思われます(もともと悪意者排除論)。
○その他、権利外観法理について、最判平成18年2月23日を引用し、94条2項類推が、一般的な権利外観法理に近い機能を果たしてきたのではないか、という説明を加えています。これも、内田先生の問題意識を補強するものとして、強調されているのではないかと思います。
○70頁の錯誤の説明で、「シンボリルドルフ」だった馬の名が、「ディープインパクト」になっているというのは、遊び心でしょうか。。
賛否はありますが、内田先生の本は、判例をケースとして説明し、時には従来の議論を簡単に済ませて、他の基本書にない軽快さと面白さがあるとは思います。