民法改正(契約法の部分の改正)についての本なので、「私のように民法を専門としてこなかった人にも理解できるか?」と思いながら読み始めましたが、読み進めるうちに、とても興味深く感じ、「こんな視点で民法を見てこなかったなあ」と思いました。
とても平易に興味深く民法改正の意義を説いた本です。
この本には、日本の民法が、(a) 読んでもわかりにくい構成になっていること、(b) ヨーロッパ諸国の民法に比べて条文数が少なく、条文からだけでは結論が導けないケースが多々あること、(c) 条文の少なさを理論書や判例で補ってきたこと、(d) 学説や判例の成果を取り入れて、一般の人が読んでわかるような民法になるように改正行うべきこと、等を記述しています。
民法がこのような状況になっていることが歴史的経緯からていねいに解説されており、「ああ、なるほど」という納得感があります。
大学時代、民法総則から学習し始めたとき、「こんなにそっけない条文なのに、ここまで理論が構築できるのか?」、「この抽象的な規定は何を意味しているのか」と違和感を覚えたことを思い出し、「その違和感は間違っていなかったんだ」と深く納得しました。
また、この本は、制定から100年以上たって、民法の規定が現代の社会・経済情勢に合わなくなってきていることも記載しています。消滅時効、法定利率、約款、サービス契約などの個別課題についても簡潔に問題点を解説しています。
全体を通じて、諸外国の民法との比較が数多くなされている本です。私のような浅学の者はこれまで「民法とはこんなもの」と思い込んでいましたが、世界には多様な民法があり、年々進化していることが理解できました。
法律の本でありながら、堅苦しい感じはなく、現代の時代的要請をいきいきと記述したフレッシュでエキサイティングな感じさえする本です。多くの人に読まれるべき良書と思います。