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いざ本を開いてみれば、固有名詞や団体名が山と出てきてくらくらしてしまうのだが、肝心なのは名前ではなく考察だ。nationの訳し分けも興味深く、考える糧になる文章が随所にある。短い例を挙げるなら、「不当な攻撃性は真実を認めないことに始まり、暴力は罪の意識に起因する」(P50) 「彼らは、相手との比較においてしか自己確認できなくなる」(P33) 英語版を開いてもめまいがするばかりだろうが、印象深い考察は原文も知りたくなる。
この本の魅力は、著者がいつも自問し、迷っているところにあるのだと思う。答えの出ない「なぜ?」なのだ。だから僕らも、自分なりに考えようという気になる。イグナティエフの他の本にも挑戦したい。
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