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民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書)
 
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民族とネイション―ナショナリズムという難問 (岩波新書) [新書]

塩川 伸明
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 798 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

地域紛争の頻発や排外主義の高まりの中で、「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」などの言葉が飛び交っている。だが、これらの意味や相互の関係は必ずしかも明確ではなく、しばしば混乱を招いている。国民国家の登場から冷戦後までの歴史をたどりながら、複雑な問題群を整理し、ナショナリズムにどう向き合うかを考える。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

塩川 伸明
1948年生まれ。1979年東京大学大学院社会学研究会(国際関係論)博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授。専攻はロシア現代史・比較政治論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 223ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2008/11/20)
  • ISBN-10: 400431156X
  • ISBN-13: 978-4004311560
  • 発売日: 2008/11/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
本書は東京大学教授で、比較政治・旧ソ連を専門とする著者が

ナショナリズムに関する議論を整理したうえで

研究の深化につながる道筋を示すことを目的にした著作。

ナショナリズム等の概念そのものに関する抽象的な議論や

各時代・地域ごとの個別的な問題について

アンダーソンやゲルナーらの古典的研究から

毛利和子さんなどによる最先端の研究までも幅広く参照し

その成果をコンパクトにを紹介します。

対象となる事柄はきわめて広範かつ茫漠としていますが

一人の筆者が書いているので、迅速かつ統一的な理解が可能です。

また、文章の密度が濃いので分量は少ないにもかかわらず、

読み込んでいくと、ほとんどの疑問は解消します。

国民国家の変貌とナショナリズムの台頭が、平行して語られる今日。

多くの人に読んでいただき、深い知見と観察眼を得ていただければ―と思います。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kogonil VINE™ メンバー
形式:新書
ロシア、旧ソ連政治史の碩学による民族関係論の概観。
1章で、この分野の学説史上の対立点を簡略にレビューし、2〜4章で、具体的な歴史的経緯に照らして
事例を縦横に概観し、5章で今後の展望につなげています。

著者本人は、浅い部分が目立つと謙遜されていますが、1章のレビューは非常に優れたものだと思います。
無理矢理探せば、公民権運動以来の議論や、社会心理学系の研究に触れていない点くらいかと。
5章では、近年のものも概観しており、学習用の入門としても有用なものになっているのでは。

2〜4章が圧巻で、国民国家成立期、2つの世界対戦を含む時期、冷戦体制崩壊以降期と章をわけ、
事例を縦横に比較していきます。
著者の専門のためでもありますが、ロシア、東欧、中央アジアなど旧ソ連地域の事例が豊富で、アフリカ
の事例を除いて、ほぼ世界全域にわたる事例が比較されます。他の類書では事例の取捨が特定地域に
偏っていたことと比べれば、この点だけでも本書を特筆する意義があると思います。

本書は、困難なこの分野の問題状況について、アクチュアルな対応という意味でもアカデミックな方向性と
いう意味でも、明確な展望を提示しているわけではなかったりします(本書だけではなく、誰もできていない
ことですが)。
しかしながら、これまで比較されなかった事例と事例を並べるだけでも、これまで指摘されなかった観点が
見出せることを示してくれています。

今この瞬間にも、民族・エスニシティ・ネイション周辺で紛争は絶えません。
それらに対しては、おそらく理論的な統一的把握は難しく、状況毎に具体的に、いわば場当たり的に対処
する外ないのかも知れません。しかし、まさに、そのためにこそ、状況を叙述する“観点”は豊富であるべきで、
本書は、この課題に取り組んでいると思えます。

このことを踏まえて、『現存した社会主義』や『多民族国家ソ連の興亡』3部作の再読を決定中。
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14 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Moral Minority VINE™ メンバー
形式:新書
よくまとまった民族、ネイション、国民国家、ナショナリズムなどに関する無難な入門書という印象。一章ではエスニシティ、ネイション、民族、国民といったしばしば混同もされる紛らわしい用語・概念の整理・定義が為されニ章から四章まではかなり広範な国での歴史が扱われ、最後に難問としてのナショナリズムとして良いナショナリズムと悪いナショナリズムの区別の問題や紛争の問題について論じる。著者によれば抽象論が苦手な人は一章を飛ばして二章から四章だけを読むのでも逆に歴史が好きでない読者は中間を飛ばして一章と五章を繋げても構わないそうだ。

著者が主にロシア史を専門としている事もあってか歴史的記述に力が入れられておリ、事によるとそれ以外は分量も多くなく、綺麗にまとまってはいるもののあっさりとした印象を与え入門以上のものではないとも思える。実際全体的な分量も少なく、一般人や入門者も対象に入れた新書という体裁、さらには実は本書で扱う事柄は著者の専門外であるといった事から当人もそう踏み込んだ事は書かないという方針をとったようである。

私は最後の章の問題に最も関心があったが失礼を承知で言えば少々物足りなかった。そこで言われているのは精々、少数民族のナショナリズムを善、多数派のそれは悪とするナショナリズムの善悪区分は少数民族がさらなる少数民族を迫害する場合、弱いとされる民族がさらに弱い民族に抑圧的に振舞う場合、また弱い民族と思われたものが容易に強者に転化しうる事から不十分であるとか、憲法やイデオロギー、理念だけに依拠するシヴィックナショナリズムが持て囃されているが、それはあまりに現実から乖離しているとか、その程度の事である。(あとは紛争の原因は軍事攻勢が合理的と判断された場合に為され、そういう判断は国家秩序が動揺してる時にされやすいといった話など)あまり踏み込んでいない一般論の域を出ないといった印象でこの章についてはさしたる示唆を受けられなかったのが残念だ。ただこれは踏み込んだ議論を期待した結果であって入門書としては五章を含めて優れていると思う。

著者自身の説明によれば本書は私の言うように全体としては「バランス感覚と常識をもって書かれた概説書」だが細かな所には「常識的通念に逆らう問題提起」が常識的概説の合間にこっそり散りばめられているらしい。完全な入門者は常識的概説の部分を抵抗感なく通読すればよく、多少気難しい人やこの問題についていくらか考えている人は散りばめられた論争的記述に疑問を持ち考えて欲しい、というのが著者の願いである。ただ残念な事に私の力不足のせいか、著者の言う常識の合間に多数散りばめた非常識的記述というのは私にはなかなか発見できなかった。「本書を入門書と思ってざっと流し読みした人は、あちこちにちりばめた論争的記述には気づかず、当たり前の常識に終始した、無難な入門書と思うことだろう。それがすべてだと思われると、やや寂しい。」とも著者は述べているが私はこれに当たってしまうかもしれない。しかしながらそのような記述についても詳しい展開はされておらず、また「こっそり」散りばめられているだけというのは著者当人が認める所である。つまりそれはこっそりであるため、気を抜いていると見つけにくいし、見つけたとしても論争的という意味では踏み込んでいても殆ど詳しく展開されないという意味ではやはり踏み込んでおらず浅い。著者の意図を知った上でも私の結論は本書は無難な入門書というもの。
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