本書は東京大学教授で、比較政治・旧ソ連を専門とする著者が
ナショナリズムに関する議論を整理したうえで
研究の深化につながる道筋を示すことを目的にした著作。
ナショナリズム等の概念そのものに関する抽象的な議論や
各時代・地域ごとの個別的な問題について
アンダーソンやゲルナーらの古典的研究から
毛利和子さんなどによる最先端の研究までも幅広く参照し
その成果をコンパクトにを紹介します。
対象となる事柄はきわめて広範かつ茫漠としていますが
一人の筆者が書いているので、迅速かつ統一的な理解が可能です。
また、文章の密度が濃いので分量は少ないにもかかわらず、
読み込んでいくと、ほとんどの疑問は解消します。
国民国家の変貌とナショナリズムの台頭が、平行して語られる今日。
多くの人に読んでいただき、深い知見と観察眼を得ていただければ―と思います。