1.内容
民主党(などの連立政権の経済政策)批判、著者が携わった自由民主党の裏話、が主内容。民主党の政策は、財政の裏づけがないし、政治手法なども間違っている。一方、著者が携わった自由民主党政権は、自由闊達に議論できる雰囲気があるし、経済運営も後世の批判に耐えうるものである。ただ、小泉改革にも欠点はあったし、いわゆる「上げ潮派」のような問題のある考えも中にはあるが、それを考慮してもおおむね民主党よりはましである。今後は、消費税増税を社会保障目的に特化しつつ、財政再建のために別の税の増税をお願いして(なぜか法人税は増やさない)、安心できる将来を作ろう。そのためには、制度を変えるだけではダメで、勤勉な国民性に期待して、「モノづくり」(p254)の道にまい進にするべきである。ざっとこんな内容だろうか。
2.評価
財政に関する危機感(ならびに、その点に関する民主党批判)は正当である。裏話も載っていて面白い。しかし、せいぜいこれらはかろうじて星1つを免れているレベルにすぎなかった。歴代自由民主党政権の反省もなく民主党の悪口ばかり言っているように感じられ、醜い部分が多かった。政権交代の背景の分析も甘い(労使分配率において、労働側の比率が低い傾向にあるんじゃ、「成長成長」言っても誰も信用しないよ)。政策についても、消費税の社会保障目的税化の正当性も疑問(他に使ってでも財政健全化をはかってなぜいけない?法人税減税も財政健全化の観点から不安)。矛盾も散見(p242の「欧州では児童向け手当など」云々と、p54l10の批判は矛盾しているのでは?)。以上、賛同できるのは財政に関する危機感ぐらいで、悪口、ごまかし、無反省、まずい提言など、ダメな部分が多かったので、星2つ。