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民主主義の逆説
 
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民主主義の逆説 [単行本]

シャンタル ムフ , 葛西 弘隆
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

本書は、現代の民主主義をめぐる困難な状況への政治理論からのひとつの介入の試みであり、近年の現代政治理論、民主主義政治思想の成果のひとつとして、つまり専門家にむけた狭義の研究書として位置づけることができる。しかしそれと同時に、むしろ広義の一般書として、現代政治や民主主義思想に関心をよせるさまざまな立場の人びとの関心に応えうる批評としての性格をもっている点もある書です。

内容(「BOOK」データベースより)

民主主義の危機の時代における政治思想の根本問題。「合意形成」の政治から「抗争性」の政治へ。ロールズ、ハーバマス、ギデンズなどの「合意形成」の政治学を批判的に検討し、シュミットの政治論、ウィトゲンシュタインの哲学から「抗争性」の政治を提唱する。民主主義を鍛え直す画期的な政治思想。

登録情報

  • 単行本: 224ページ
  • 出版社: 以文社 (2006/7/15)
  • ISBN-10: 4753102483
  • ISBN-13: 978-4753102488
  • 発売日: 2006/7/15
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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27 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本書はChantal Mouffeの『Democratic Paradox』の訳書である。ムフは、既に『政治的なるものの再興』といった著作が訳され、ラディカル・デモクラシーの理論家の一人として知られている。本書では、彼女の理論的構想である「闘技民主主義agonistic democracy」についてだけでなく、その思想的背景となるカール・シュミットやウィトゲンシュタイン、理論上の論敵であるハーバーマスとロールズ、そして政治的仮想敵としてのブレア政権とギデンズへの言及も議論の中で展開されている。

 論文集であり内容に重複が見られるが、そのことを「重ねて議論している」と肯定的に捉えれば、ムフの議論に馴染みのない者には入門書として薦められる。但し、詳細を端折っていて議論の展開が大雑把であるという印象を受けるので、「最良の」とまでは言えない。また、論敵の切り捨て方が雑であり(「合意論」アプローチという括り方自体、理論的というよりはむしろ「政治的」である)、幾つかの課題は依然不鮮明なまま先送りされている。

 評価がやや低めなのは、訳書として、ただの変換ミスだけでなく、意味が繋がらなくなる明らかな誤訳があることが無視できないからである。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
形式:単行本
闘技民主主義を擁護するムフの有名な論文集。

彼女はシュミットの「友ー敵」概念に依拠しつつ、政治が不可避的に「敵」を作りだす(出さざるを得ない)存在だと見る。
そのため、意見の不一致は常に存在し続けるので、意見の一致を前提とするロールズやハーバーマスを彼女は批判する。

だが他方、シュミットの意見を全面的に受け入れるわけではない。
シュミットは、「友」の同質性(喝采による全面的支持)と、「敵」を指定して殲滅することに政治の意味を見出そうとする。
だが、それは「友」とされる基盤においても民族等の概念を持ち出して強引に均一と見せかけるだけで、決して統一できることはないことを見逃している。
そのため、ムフは対立の永続を認め、それを政治の本質としたうえで、「敵」ではなく「対抗者」として尊重し合えるようにすることを主張する。

論文集ということもあるのだろうが、主張の繰り返しが多いような割に結論が見えづらく、あと用語が変に難解なのはあまりうれしくない。
他のレビュワーさんによると訳の問題も指摘されていたが、それは原典と比較できない自分には何とも言えない。

ただ、内容としては、単純な民主主義賛美に一石を投じる内容で、非常に面白いと思う。
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