民主主義についての入門書としてはベストではないだろうか。
これまでは福田歓一「近代民主主義とその展望」というこれまた良書の民主主義入門書があったが、本書はさらにわかりやすく書かれている。
プリマー新書はもともと中高生向けなので、かなり噛み砕いて書かれているが、要所は外していない。
民主主義の歴史については、ポリスの民主制からアリストテレスの政治論、フランス革命、アメリカの政治制度とイギリスとの比較など、きちんと押さえられている。
また、民主主義の擬制としての側面(本書では「みなし」という言葉を使っている)、代表の原理についても1章割いている。
民主主義に潜む危険、「多数の専制」や「政治無関心」についても、きちんと正面から向き合っている。
引用・言及されている本を見るだけでも、アリストテレス「政治学」、ルソー「社会契約論」、ハミルトン「ザ・フェデラリスト」、バジョット「イギリス憲政論」、リップマン「世論」、福澤諭吉「学問のすすめ」、ソロー「市民的抵抗の思想」など、ポイントは網羅されていることがよくわかる。
民主主義というものについて考えてみる最初のステップとしては、非常にまとまった本だと思う。
福田歓一「近代民主主義とその展望」とあわせてオススメの一冊である。