歳をとるごとに集中力が落ちたり時間がなくなったりで
アルバム一枚聴きとおすのが億劫になってきた。
アーティストの質が落ちて捨て曲ばかりになってきただとか、
歌詞がつまらなくなってきたというのもある。
ベスト盤が乱発される傾向も、納得のいくところだ。
だけど毛皮のマリーズは別だ。
高校生の頃、ブルーハーツやハイロウズ、真心ブラザーズといったアーティストの曲を、
歌詞カードとにらめっこしながらワクワクして聴いていた頃を思い出す。
切ないメロディー。歌詞カードから目を離せなくなる歌詞。
六〇年代、七〇年代のR&R、R&B、カントリーなどをベースに据えた古色蒼然としながらも幅広い、軽妙でありながら濃厚なサウンドは、日本のアーティストとしては白眉の出来。
このへんの古典を踏襲できているかどうかで、音の厚みが変わってきます。
特異なヴォーカルも、時を経れば清志郎ばりの存在感を持ちそう。
歴史に残る名曲中の名曲「ビューティフル」だけの一発屋バンドなんかではない。
捨て曲一切なし、聴けば聴くほど味の出てくる名曲がナント全十一曲。
これはどのような不況のただなかにあっても、たとえリストラにあっても、金を出して買うに値する一枚だ。