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毛沢東 ある人生(下)
 
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毛沢東 ある人生(下) [単行本]

フィリップ ショート , 山形 浩生 , 守岡 桜
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商品の説明

内容紹介

抗日から文化大革命、死後まで、成長と変化を丹念にたどり、思想の変遷、世界情勢の中にも位置づけて描く、本格的な伝記。新資料と綿密な取材により、偏見や扇情を排し、二十世紀の巨人の実像に迫る!

内容(「BOOK」データベースより)

抗日から文化大革命、死後まで、成長と変化を丹念にたどり、思想の変遷、世界情勢の中にも位置づけて描く。新資料と綿密な取材を基に、偏見や扇情を排し、二十世紀の巨人の実像に迫る。

登録情報

  • 単行本: 525ページ
  • 出版社: 白水社 (2010/7/17)
  • ISBN-10: 4560080828
  • ISBN-13: 978-4560080825
  • 発売日: 2010/7/17
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 4.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 完全に研究者向け, 2011/3/28
レビュー対象商品: 毛沢東 ある人生(下) (単行本)
 上巻に引き続き、下巻もかなり分厚い書籍であるが、その大半は注釈などの史料であり、これらは毛沢東研究に関する入口としては最適である。

 元々、本書の特徴は従来の毛沢東関連の書籍に比べ、著者が特定の思想を持たず中立的な立場で書いている点にあるという触れ込みであったが、まったく無色透明とは言い難い。下巻を読む限りでは蒋介石に対して少々同情的な印象を受けた。ただ、この点に関しては著者のショートが英国人であり、かつて英国が国民党軍を支援していた背景を考えると、仕方のないことかもしれない。むしろ、日本が汪兆銘に対してあまりにも薄情すぎる方が異常なのかもしれない。

 上巻にも書いた通り、相変わらず文自体は潤色抜きで全体的に眠い。また分厚い割に章の分け方がかなり大きいので、細切れに読む事が出来ない。そのため、話のタネに読むにはあまり向かない。話のタネとして読むなら、肯定的なものなら『中国の赤い星』、否定的なものなら『マオ―誰も知らなかった毛沢東』の方が良い。
(本書では『マオ』と対照的な書籍として『毛沢東伝』を挙げているが、こちらは率直に言うと分厚い割に中身がないのでお奨め出来ない。)

 と言ったところであるが、客観的な情報量は折り紙つきであるので、この分野の研究論文等々を執筆する際は一度目を通しておく事をお勧めする。

 なお、本書に依拠して論文を書いた立場の人間として反省点を述べると、本書に記載されている事をそのまま論拠としてしまったが、本書が依拠している外国語文献に飛び込むべきであったと猛省している。
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5つ星のうち 5.0 ボルシェヴィズムと民主主義の両立という理念, 2011/4/10
レビュー対象商品: 毛沢東 ある人生(下) (単行本)
辛亥革命後の動乱期の中で青年だった毛沢東は、極端な法家なような強権的な統治であっても、秩序と平和があった方がいいと考えていたという。それがロシア革命に出会うことにより、ボルシェヴィズムと民主主義の両立が可能という考えに変わっていく。つまり、レーニンの刀を残したままでも民主主義は可能という考えだ。AB団粛清でも、延安整風でも、反右派でも、文化大革命でもそこに原点があった。どれも最初は極端な位理想主義に走った後、それが立ち行かなくなると、ボルシェヴィズムのようなまた極端に強権的闘争(粛清)を行う。

極端な理想主義と極端な強権政治が異なる民族10億人を貧しいままでも統治してきた理念だと本書から改めて気付かされる。現在の中国はその理念の重しが無くなり、少数民族が共有出来ない漢民族のナショナリズムが台頭してきている。理念の代わりが経済的豊かさだ。

理念がなくなった今、その巨大な矛盾を中国共産党は抱えて、強権的な手法を手放せなくなっている。中国も時代の流れの中で民主化をしていかなければならないが、残された帝国の遺産はどのようになるのか。一旦帝国の遺産を償却したロシアは再び強権的体制へと向かい続けて来た。今後の舵取りは非常に繊細で微妙だ。再び帝国の膨張を続けることは負の遺産を増やすだけで、将来なんのメリットにもならないだろう。
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17 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 「公平無私で偏見無し」っていうより、明確な「史観」の欠如では? それとも西洋理性の限界??, 2010/12/22
レビュー対象商品: 毛沢東 ある人生(下) (単行本)
 本書(上)は単独で読んだところすこぶるキビシかったので、本(下)巻は、ユン・チアン『マオ』の同時期記述と比べながら読み進めた。こういった「3D読書」のおかげで、毛沢東とその周辺に関して、個人的には理解と知識が深まった感じ。
 しかし、上下読了してみて、本書そのものの評価は、相変わらず低いままに終わった。
 その理由を、訳者・山形のあとがきをダシにしながら、購入検討の皆さんに訴えたい。

1)訳者・山形は、『マオ』での記述配分では、産まれてから15頁目に共産党に入党しており、その理由も明確ではない、と批判している。
 もちろん、毛沢東がどういった内的契機や外的環境によって共産党革命運動にコミットするようになったのか、重要な問題だし、誰もが追求したいテーマではある。しかし、常識的に考えてみれば、初期の資料/史料は極めて少ないことが判る筈。産まれてスグから革命の申し子として注目を浴び続けて来た訳ではないし、1920年代半ば以降、共産党内である程度の勢力を保つようになるまでは、残っている文書は少ないし、生き証人もほとんど(全く)居ない。
 極端に言えば、邪馬台国がどこに有ったのか、という議論と同じくらい、著者の空想が入り込む隙間が多すぎるのだ、
 最初、高邁な理想を持っていたが徐々に堕落して行ったのか、最初から歪んだ理想を抱いていたから変なことをいっぱいしたのか...三文小説的な因果関係をこじつけたくなるが、それよりもなによりもまず、毛沢東がなにをしてしまったか、その内容を同定することが先決なのではないか?
 ...したがって、初期の記述が少ないからと言って、それが致命的欠点になるとは思えない。

2)人の一生のうちで、毎年毎年同じ事件が起っている訳ではなかろう。たとえば、80年の生涯を終えた有名人の伝記を書くのに、毎年10頁ずつ割いて800頁の本を著したら、それは客観的で良い伝記なのか?
 一例を挙げると、1937年から10年間のいわゆる「延安時代」(下巻はそこから始まるが)に関しては、本書の約三倍前後の分量を『マオ』では費やしている。
 毛沢東の生涯を理解する上で、どちらのペース配分が理にかなっているか、よく考えればわかることであろう。

3)『マオ』には決まりきった結論、「強迫観念」があるとする。しかし、これは、MITで不動産を専攻したという訳者・山形の「歴史」に対する見識の無さを自ら露呈してしまった感じ。
 そもそも、さきに結論があって、その結論を読者に納得させるように書くのが「歴史」「伝記」というものであり、筆の徒然なるままに動かしていたら、なんとなくこんな本が出来上がりました、そういったことがある筈が無い。
 ソ連側からの視点と史料分析に特化した『マオ』には、確固たるユン・チアンの史観が有る。それをどう受け止めるかは各々読者の勝手に属するが、本書の場合、様々な重大な事件についての腰が引けた凡庸な解釈の山を読まされると、正直、他書との比較無しでは否定も肯定も出来かねる。

 なお、著者のフィリップ・ショートというひと、どこかで聞いたことがある名前だな、と思っていたが、数年前に日本のBSやCSでも放送された、仏蘭西のテレビ局が制作した4回シリーズの毛沢東伝で進行役を務めていたのでなかったか。
 あの番組、歴史的な映像に加え、関係者への最新のインタビュー映像も多く(たしか、劉少奇の娘も出ていたのではなかったか?)、本書よりは面白かった。
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