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毛沢東 ある人生(上)
 
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毛沢東 ある人生(上) [単行本]

フィリップ ショート , 山形 浩生 , 守岡 桜
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

誕生から共産党創立、長征まで、成長と変化を丹念にたどり、思想の変遷、世界情勢の中にも位置づけて描く、本格的な伝記。新資料と綿密な取材により、偏見や扇情を排し、二十世紀の巨人の実像に迫る!

内容(「BOOK」データベースより)

誕生から共産党創立、長征まで、成長と変化を丹念にたどり、思想の変遷、世界情勢の中にも位置づけて描く。新資料と綿密な取材を基に、偏見や扇情を排し、二十世紀の巨人の実像に迫る。

登録情報

  • 単行本: 441ページ
  • 出版社: 白水社 (2010/7/17)
  • ISBN-10: 456008081X
  • ISBN-13: 978-4560080818
  • 発売日: 2010/7/17
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 339,923位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本|Amazonが確認した購入
 毛里和子が言うには日本で入手出来る毛沢東の評伝で、信頼に足るものはほとんどないそうだ。
筆者も管見の限りでは毛沢東の生涯のある一時期を取り扱ったものや、特定の思想に染まりきった危ういものが多い印象がある。

 その様な中で本書は、つとめて中立的に、しかも世に出るまでの毛沢東を平凡人として捉えている点に価値がある。
故に特に恣意的な引用もなく、淡々と事実が書かれている。ために『中国の赤い星』のように手に汗握るような事もなければ、『マオ―誰も知らなかった毛沢東』のように「おいおい、本当かよ?」とぼやくような事もなく、少々眠い文章かもしれない。
しかし、実は潤色がなければ評伝が眠い文章になる、ということが毛沢東の真実であったとも考えうる。

 原題は10年以上前のものであるから、指摘すべき点もあるが、中国近現代史を研究する上で必携の書といえよう。巻末脚注と資料が全て下巻に収録されているので、研究の際は上下巻揃える必要があるが、値段分の価値は十分にある。

 余談であるが、欧米では『毛沢東の私生活』、本書、『マオ』の順に世に出たようだが、この順を考えると如何に現地の学者が『マオ』に戸惑いを覚えたか、容易に想像がつく。
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23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 昆論
形式:単行本
本書の帯にも書かれているとおり、日本語で読める毛沢東のまともな伝記がやっと登場した。原著は1999年刊だが、10年以上かかったことになる。中国語版は既に発売されている。ユン・チアンの『マオ』が出た際、欧米では本書との比較がされた。日本ではエドガー・スノーの『中国の赤い星』からいきなりユン・チアンの『マオ』と来たので、人民の解放者という毛沢東像から世界最大の虐殺者という毛沢東像にひっくり返って終わってしまった。必要なことは毛沢東を美化することでもなく、革命の過程で起きた惨事を毛沢東一人の責任に押し付けることでもなく、革命というものの本質を総括することだ。

まだ、全て読みきっていないが、一番関心があったのが1930年から1931年までに起きたAB団粛清事件という内ゲバ事件だ。毛沢東、朱徳といった井岡山からの紅軍と西南江西省の第20軍が合流する際、第20軍に対して、アンチボルシェビキのAB団(本書によるとABはアンチボルシェビキの略ではなく、Aが上級団員、Bが下級団員という意味とのこと)である名目の元で大量に粛清された事件だ。当初は当中央の李立三から派遣された李文林が行った。(AB団粛清は全土の紅軍根拠地で行われた。) その後、毛沢東、朱徳と第20軍が対立し、第20軍は富田事件という反乱を起こす。一旦は投降するが、党中央の李立三の失脚に伴い、今度は李立三路線の追随者という名目で粛清され、第20軍は壊滅した。

この事件は国民党による第1-3次囲剿作戦という大軍による包囲攻撃の間に起きている。第3次囲剿の間では包囲が始まるに連れて粛清も激しくなり、包囲が終わると粛清も終わった。しかしながら、この粛清を行いながら、この数の上では何倍もの敵を毛沢東は打ち破っているのだ。

連合赤軍の兵士達は内ゲバの過程で延安の兵士のように輝かしい死を送れるのか嘆いたそうだが、本家の事情もそれ以上のドロドロだ。小をもって大を制する革命というはじめから成功する可能性が微々たる事業は、それを行う者がいくら大きな器を持っていようが、器を砕いてしまう現実を見せる。何倍もの敵に包囲されての遊撃戦というものも、そのプレッシャーの中で行われるのであり、三国志の孔明が澄ました顔で行うようなものでも無いのだろう。その矛盾を前提にして革命の惨事も見なければ、その総括もピントがずれてくるだろう。
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17 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 柴風
形式:単行本
 ベストセラーになったユン・チアン『マオ』との比較で、公平無私・不偏不党...が本書の「ウリ」らしいが、はっきりいって、上巻はあまり面白くない。なんというか...中学校や高校のときの歴史の教科書に毛が生えた程度の「歴史書」で、膨大な事実報告の行間に、毛沢東の人間像が埋もれてしまって、極めて読みにくい。
 上巻ではいわゆる「長征」直後までを扱っているが、1930年代までの中国の歴史や地理、初期の共産党運動などに深い造詣のある読者でないと、かなりキビシイ。
 「歴史」にはストーリー〜言い換えれば、因果関係の説明や心理描写...などなど、人間の膨大な行為群に対する、なんらかの傾向の発見がなければ成り立たない。一部から「三文小説」「扇情的」と揶揄されながらも、『マオ』には「歴史」を書こうとする強い意志が読み取れた。本書では、できるだけ客観的に当たり障り無く書こうとした故に、ストーリーの流れが希薄で、読者が自分でオールを漕いでいかないと船は進まない。
 また、史実の掘り下げや分析に関しても、たとえば問題の「瀘定橋の戦闘」に関しても、『マオ』での既述は根拠がないと直後に強い批判が出たが、本書下巻につけられた訳者・山形の紹介によると、その後の調査や研究で、「全くなかった」というのはちょっと行き過ぎとしても、事実は本書やエドガー・スノーによる伝説的な内容からはほど遠かった、というのが、現段階での「より真実らしい事実」のようである。
 もちろん、これから数多くの研究によってまた事態は左右にブレることは大いにあり得るが、一つだけ誤解を解く必要があるのは、本書の邦訳は今年になってからだが、原書は1999年で、ユン・チアンのものより、6年程も前の出版なのだ。だから、本書にあちらとは違うことが書いてあるからと言って、ユンの書籍への批判的検討の上に本書がなりなっている、ということはないのである。

 訳者の力瘤の入れ具合に反比例して、内容はその程度のものだ。有効活用するには、『マオ』との比較熟読が必須だろう。
 ちなみに、ヒトラーなんかとちがい、毛沢東と地続きの中国共産党はまだ現役である。したがって、毛沢東一人を悪魔扱いしたって革命の悲劇は克服できないとか、ユン・チアンは偏向しているとかいう批判に、私は組しない。
 彼はまだ、「記録」で語られる人物ではなく「記憶」で語られるべき人物なのだ。
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