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産経新聞取材班が入手した二百五十冊の文献を検証した「毛沢東秘録」は、中国指導者たちの凄まじい権力闘争の内幕を暴き出している。とりわけ、政治生命を賭けた指導者たちの肉声は強烈である。「闘争するにはまだまだ機会をうかがい、念を入れる必要がある。だが、戦争を準備するという考えは片時も忘れるな。目を光らせ、耳を開き、口はしっかり閉じるのだ」(四人組と対立した 中国共産党副主席・葉剣英)、「革命と独裁。いかにして政権を打ち固めるか。人を殺すことだ」(四人組のひとり張春橋)、「革命とは食事に客を招くことではない。文書を書くことでもない。そんなに優雅で、お上品なものではない。革命は暴動である。ある階級が別の階級を転覆させる暴力的行動である」(毛沢東)など。
全三冊のうち、上巻では、毛沢東死去後の華国鋒・葉剣英ら最高指導部と、江青ら四人組との権力闘争(一九七六年)、そして、その十年前に毛沢東が発動した文化大革命で、劉少奇ら実権派に対する容赦のない追い落とし劇が描かれている。党内序列二位・国家主席の劉少奇ら実権派に対する家族も巻き添えにした追い落とし劇は、文化大革命の凄まじさがよく出ている。そこにあるのは、巨大な中国を舞台にした毛沢東思想をめぐる権力者たちのいわば”獣性”と言っても過言ではなく、こうした先に、あのカンボジア・ポルポト政権の悲劇もあったのかと、いろいろと想像が及んでしまう。隣国日本の私たちとしても、中国の指導層が、このような権力闘争の伝統を持っているということを、しっかりと認識しておくべきではないだろうか。
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