一般の新聞雑誌を寄せ集めた感。
9−6のポリエチレンは塩ビの誤り。高圧法ポリエチレンは極めて柔軟。硬いのは低圧法ポリエチレン。両者の混合で柔軟度の調整は容易。可塑剤が必要なのは本来硬質の塩ビ。厚木基地に搬送されたベトナム戦負傷兵の輸血に遣われた日本製の塩ビチューブから可塑剤が溶出し障害が発生した日本製医療機器の屈辱的事件は当時新聞も報じた。医療機器以外にも、魔法瓶の中栓、シャワーカーテン、自動車内装品(新車の匂)、壁紙にも使われている(現在は中栓などは使用中止)。サランラップなど塩ビ系のフィルムには可塑剤が数十%入っているので揚げ物などを包めば親油性の可塑剤は簡単に食品に移行する(いまだに禁止しないのは不可解。食品の直接包装はしないようにと小文字の標記はある)。
塩ビ壁紙にも20%程度の可塑剤が添加されており、これが広い壁面から一年中蒸散する。塩ビ壁紙の端が経年変化で硬く捲れ上がるのは可塑剤が抜けたため。
現在は非塩ビ壁紙としてポリオレフィン壁紙が塩ビ壁紙と同一価格で市販されている。拙宅も昨年オレフィン壁紙でリフォームした。臭気もなく快適である。
塩ビはポリオレフィンより15年ほど早く市場に出たので、化学物質過敏症の元になりそうな問題を抱えているにも拘わらず先行素材として建築業界などには深く根付いている。本来は本書のようなものが啓発書になるべきだが、その任を果たしていない。
塩ビ問題が惹起した社会事情を知らない世代が書いた本としか思えない。