「毎日かあさん」のタイトルに反し、
今回の西原さんは、毎日母親ではありません。
誰の親でもない、女性としての西原さんが混じっています。
また、
「お金が無いのは首がないのと同じ」
と言う西原節が正しかったことを証明した巻でもあります。
自分をさらけ出す作風の、それだけしかできないと自認している西原さん。
鴨ちゃんとの事も、過去作品に何度となく描いていますから、
結婚、出産、離婚、出戻り、そして鴨ちゃんの死、
「何がどうしてどうなったか」過去作品と本巻でほとんど知ることが出来ます。
毎度の事で、照れからくる偽悪、露悪で鴨ちゃんをけちょんけちょんに罵った物がほとんどですが、
鴨ちゃんに抱く「あ」の付くアレは隠しきれておりません。
しかしながら、鴨ちゃん、ディフォルメ90%としても、
西原作品では良く見かける「死んだら誰も悪う言わんから、早よう死ね」タイプの男性だったことも否定できず・・・
そんな鴨ちゃんを、子ども達の大好きなお父さんとして死なせてあげられたのも、
その死を悼み、後先考えず涙する事ができたのも、
西原さんが稼いだ「お金」あってこそ。
思えば西原さん、
お金が無いがために崩壊する家族、罵りあい、いがみ合う夫婦。
その中で傷つき悲しむ子どもを幾度と無く描いております。
ご自身の守銭奴ぶり、お金に対する執着も、偽悪を絡めて描きまくっております。
そこで描かれる西原さんのお金とは、こう言うものだったのだと、
標準的な現代日本人として、本当の貧困を知ることのない身にわからなかったものが、ようやくわかりました。
親が子どもを傷つけないで済むためのお金
愛情を育み、守るためのお金
愛する人を人として死なせてあげるためのお金
それがわかった途端、西原さんの悲しみ、そして恐らく抱いた安堵が伝わり、
ぽろりと涙がこぼれました。