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母親に向かない人の子育て術 (文春新書)
 
 

母親に向かない人の子育て術 (文春新書) [新書]

川口マーン 惠美
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ドイツ人の夫は単身赴任、異文化ドイツで日独ハーフ三人娘を育てるという孤軍奮闘の中、「母親向きでない」著者がついにたどり着いた究極のワザ、「放し飼い」育児の実践記。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

川口マーン 惠美
大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。ドイツ・シュツットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科卒業。シュツットガルト在住。日独比較の時評でも健筆をふるう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 197ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/05)
  • ISBN-10: 4166605720
  • ISBN-13: 978-4166605729
  • 発売日: 2007/05
  • 商品の寸法: 17.8 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 いつもながら読ませる著者の筆致には敬意を払いたい, 2008/2/11
By 
yukkiebeer - レビューをすべて見る
(殿堂入りNo1レビュアー)    (トップ50レビュアー)   
レビュー対象商品: 母親に向かない人の子育て術 (文春新書) (新書)
 川口マーン惠美はその新著が出れば必ず手にすることに決めている私のお気に入りの作家の一人です。ドイツに長年暮らしながらこれだけの日本語運用能力を一体どうやって維持できるのか、いつもながら驚嘆しているのですが、本書も平易な日本語でありながら幅広い事柄の内奥に鋭く切り込んでいくエッセイがつまった一冊です。

 タイトルは少々誤解を与えるかもしれません。川口マーン惠美を知らない読者は、この文春新書を育児下手だと思っている世の母親向けハウツー解説本だと思うかもしれません。しかし題名にある「母親に向かない人」というのは誰でもない川口自身を自嘲気味に指しているだけで、育児に頭を悩ます世の多くの母親世代全般を意味しているわけでは決してありません。

 川口家の子供は10代の娘が三人。本書によれば、姉妹の性格や嗜好は皆バラバラ。それだけに長女の子育て経験が次女・三女にそのまま応用できたわけではなさそうです。
 それだけに著者は手間のかかる子育てをある程度放棄したともいえる態度で生きることにします。子供に自分のことはなるべく自分でしてもらうことにするのですが、それは必ずしも子供たちの自律を促したとはいえないようです。そんな様子がコミカルに描かれていて何度もクスリとさせられました。

 日本とは異なるドイツの教育制度の長所と短所をバランスよく伝えている箇所は興味深く読みました。20年ほど前に子安美知子が一人娘の(決してドイツの一般的な教育とはいえない)シュタイナー教育体験記を記した一連の書は読みましたが、娘三様の体験記を綴った本書でドイツの一般的な義務教育制度についてその現状を幅広く知ることが出来、なかなか有意義でした。

 いつか親は子供よりも先に逝く。それを常に自覚しながら、良き子供時代をすごしたという思い出だけは残してやりたい。そんな愛情がたっぷり詰まったエッセイ集です。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 「タイトルは、大失敗!ぜんぜん、合わない。」, 2008/1/15
By 
レビュー対象商品: 母親に向かない人の子育て術 (文春新書) (新書)
母親に向かない人の子育て術
いかにも、向かないあなたがどうしたらうまくやれるか、という内容を読者は期待してしまう。
でも内容は、精神的にしっかり自立して、環境的にも優れて恵まれたスーパーウーマンが子育てについて語った本であります。
最後の、「私の子供時代はしあわせだった。」と、言わせてやりたい。
ほんとに私もそう思います。
タイトルを除けば、いい本だと思います。

あえて苦言を呈すならば、ドイツの学校制度についての見方は、もう少し柔軟であるほうが客観的だと思いますが、他の方はどう思うでしょうか。
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5つ星のうち 4.0 人間の能力に対する根本的な信頼, 2010/11/3
By 
nacamici - レビューをすべて見る
(トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 母親に向かない人の子育て術 (文春新書) (新書)
深夜に子供の迎えには行かない、テレビは見せない、ペットは飼わせない、朝ごはんはつくらないがお弁当は必ず作る、18歳まではセックスに干渉する、子供に高い服は買わない……など、著者はさまざまな「方針」を持っている。それを貫き通すのがむつかしいだけに、その都度悩み、これでいいのかと自問したり、お手上げモードになったりするのだが、少なくとも子供の言いなりにはならないぞ、世間が何を言おうと私はこうする、という姿勢がたくましい。この姿勢こそ、著者の子育て方針そのものだ。「人は人、自分は自分。人がなんと言おうが、自分で一番いいと思ったことをすればいい。よく考えて決めたことなら、ママは応援してあげる」。つまるところ、子供は親に、こう言ってもらえさえすればいいのである。

著者はドイツで3人の娘を育てているが、ドイツの学校制度や教育事情の話も非常に興味深い。ドイツの子供は、4年生を終わった時点で、大学進学を前提としたギムナジウム、専門学校の色合いが強い実業学校、もとは職人の子弟向けだった基幹学校のいずれかに進み、そこでの選択が将来に大きな影響をおよぼす。たいていの親は何はなくともギムナジウムに子供を進学させようとし、だめならせめて実業学校、と考えるそうだ。マイスター制度も衰退しつつあるドイツで、基幹学校に行くのはドイツ語の話せない外国人や、家庭に問題のある子供たちだという。大学進学には、ギムナジウムの卒業試験で合格することが必要で、2年続けて落ちると大学進学の権利が失われる(!)。大学全入時代をむかえた日本からみると、かなり厳しい。高等教育により多くの「職業訓練」的メニューを盛り込むことが検討され、大学生の学力の低さが問題とされている日本では、こうしたドイツの学校制度は参考になるのかと思いきや、著者は、このドイツの教育制度は時代に合わない「いびつな」ものだと批判している。

ギムナジウムが事実上のエリート養成学校で、その他の学校は、学力をつけるための教育機関としては十分に機能しておらず、わずか10歳でふるいわけられた子供たちは10年後もたてば圧倒的な学力の差がついてしまい、その格差は日本では想像できないほどのものだという。「子供をあまり早くから囲い込んで、エリートと非エリートのあいだに溝を作ってしまうことのほうに、より不安を感じる。これが、将来の階級社会形成の火種になることは、おおよそ目に見えているからだ」と著者は言う。そして「本当の能力というものは、玉石混交の学級の中で七年や八年のんびり揉まれていても、縮んでしまったり、消えてしまったりするはずはない」と続ける。この、なにごともなんとかなるもんである、という「人間の能力に対する根本的な信頼」のようなものが、この人の子育ての背骨のようなものだと感じる。

「友だち親子」を目指して若ぶる親、何でも学校や教師のせいにするモンスターペアレント、子育てを贅沢な趣味かファッションの一部のようにとりあげるメディア……。昔は珍しかったであろう、極端に未分化な親子関係が、この日本では一般的なものとなってきた。著者は、子供を心配することにしても、結局「愛している者を失って自分が苦しむ状況になる」のがいやだからで、結局はエゴではないのか、と問う。この本をすがすがしく感じたのは、著者が子供を「他者」として見つめることで、もう一度「自己」を見つめ直す過程が描かれているからだと思う。
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