内容(「BOOK」データベースより)
前金に手をつけながら、もう何年も書きあぐねている作家フランソワ59歳。最愛のママンの家に足を向けられないまま、ひたすら過去の甘い追憶・文学談義・お色気話に現を抜かしているが、いつしか妄想が妄想を生み、彼の苦悶は幾重にも変奏されていく―脱線の名手による、ゴンクール賞受賞作。抱腹絶倒のマトリョーシカ小説。
出版社からのコメント
本書は、新聞各紙で予告されつつ何年も刊行されなかった、曰く付きの小説。
主人公は、前金に手をつけながら、もう何年も書きあぐねている作家フランソワ・ヴェイエルグラッフ59歳。これといった成果も出せず、最愛のママンに胸を張って会いに行くこともできない。その言い訳が、ほぼ全編にわたって延々書き連ねられている。が、しかし、それはもう言い訳などというものを軽く通り越して、一種の「芸」にまで高められているのだ。卓越した淀みない話術によって、話は家族の甘い追憶から、犬やオウムや大蛇の話、旅の話や文学談義、色っぽい話、さらに猥談へと縦横無尽に脱線していく。その滑らかさ、雄弁さ、馬鹿馬鹿しさたるや、お見事と言うほかない。
そしていつしか妄想が妄想を生み、主人公の脳内ワールドは複雑な様相を呈していく。<書けない作家>のヴェイエルガンスが<書けない作家>ヴェイエルグラッフを生み、そのヴェイエルグラッフの頭の中から、またしても<書けない作家>グラッフェンベルグが出現し、さらに......という具合に、マトリョーシカ人形さながらに書けない作家の苦悶が幾重にも変奏されていくのだ。気をつけなければ、読者はもう誰が誰だかわからなくなってしまうかもしれない。でもご心配なく。それこそが、主人公にとっての<リアルな世界>なのだから。本国フランスにおいて、ウエルベックやトゥーサンを抑え、2005年ゴンクール賞を受賞した、笑いと涙の<超>自伝的小説。
主人公は、前金に手をつけながら、もう何年も書きあぐねている作家フランソワ・ヴェイエルグラッフ59歳。これといった成果も出せず、最愛のママンに胸を張って会いに行くこともできない。その言い訳が、ほぼ全編にわたって延々書き連ねられている。が、しかし、それはもう言い訳などというものを軽く通り越して、一種の「芸」にまで高められているのだ。卓越した淀みない話術によって、話は家族の甘い追憶から、犬やオウムや大蛇の話、旅の話や文学談義、色っぽい話、さらに猥談へと縦横無尽に脱線していく。その滑らかさ、雄弁さ、馬鹿馬鹿しさたるや、お見事と言うほかない。
そしていつしか妄想が妄想を生み、主人公の脳内ワールドは複雑な様相を呈していく。<書けない作家>のヴェイエルガンスが<書けない作家>ヴェイエルグラッフを生み、そのヴェイエルグラッフの頭の中から、またしても<書けない作家>グラッフェンベルグが出現し、さらに......という具合に、マトリョーシカ人形さながらに書けない作家の苦悶が幾重にも変奏されていくのだ。気をつけなければ、読者はもう誰が誰だかわからなくなってしまうかもしれない。でもご心配なく。それこそが、主人公にとっての<リアルな世界>なのだから。本国フランスにおいて、ウエルベックやトゥーサンを抑え、2005年ゴンクール賞を受賞した、笑いと涙の<超>自伝的小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ヴェイエルガンス,フランソワ
1941年ベルギー・ブリュッセル生まれ。パリ在住。モーリス・ベジャールのドキュメンタリーを始め、何本かの短編映画を監督・制作したのち、1973年『道化師Le Pitre』を発表、作家としてのキャリアをスタートさせる。代表作に『コプト人マケールMacaire le Copte』(1981年、ドゥ・マゴ賞)、『ボクサーの錯乱 La D´emence du boxeur』(1992年、ルノドー賞)、『フランツとフランソワ Franz et Francois』(1997年、フランス語大賞)など。『母の家で過ごした三日間』は、ウエルベックやトゥーサンの作品を抑え、2005年ゴンクール賞に輝いた
渋谷 豊
1968年生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。パリ第四大学文学博士。信州大学人文学部准教授。専門は、フランス現代文学、比較文学。訳書エマニュエル・ボーヴ『ぼくのともだち』『きみのいもうと』(白水社、この二作で第十三回日仏翻訳文学賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1941年ベルギー・ブリュッセル生まれ。パリ在住。モーリス・ベジャールのドキュメンタリーを始め、何本かの短編映画を監督・制作したのち、1973年『道化師Le Pitre』を発表、作家としてのキャリアをスタートさせる。代表作に『コプト人マケールMacaire le Copte』(1981年、ドゥ・マゴ賞)、『ボクサーの錯乱 La D´emence du boxeur』(1992年、ルノドー賞)、『フランツとフランソワ Franz et Francois』(1997年、フランス語大賞)など。『母の家で過ごした三日間』は、ウエルベックやトゥーサンの作品を抑え、2005年ゴンクール賞に輝いた
渋谷 豊
1968年生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。パリ第四大学文学博士。信州大学人文学部准教授。専門は、フランス現代文学、比較文学。訳書エマニュエル・ボーヴ『ぼくのともだち』『きみのいもうと』(白水社、この二作で第十三回日仏翻訳文学賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)