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母の家で過ごした三日間
 
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母の家で過ごした三日間 [単行本]

フランソワ ヴェイエルガンス , Francois Weyergans , 渋谷 豊
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

前金に手をつけながら、もう何年も書きあぐねている作家フランソワ59歳。最愛のママンの家に足を向けられないまま、ひたすら過去の甘い追憶・文学談義・お色気話に現を抜かしているが、いつしか妄想が妄想を生み、彼の苦悶は幾重にも変奏されていく―脱線の名手による、ゴンクール賞受賞作。抱腹絶倒のマトリョーシカ小説。

出版社からのコメント

本書は、新聞各紙で予告されつつ何年も刊行されなかった、曰く付きの小説。
 主人公は、前金に手をつけながら、もう何年も書きあぐねている作家フランソワ・ヴェイエルグラッフ59歳。これといった成果も出せず、最愛のママンに胸を張って会いに行くこともできない。その言い訳が、ほぼ全編にわたって延々書き連ねられている。が、しかし、それはもう言い訳などというものを軽く通り越して、一種の「芸」にまで高められているのだ。卓越した淀みない話術によって、話は家族の甘い追憶から、犬やオウムや大蛇の話、旅の話や文学談義、色っぽい話、さらに猥談へと縦横無尽に脱線していく。その滑らかさ、雄弁さ、馬鹿馬鹿しさたるや、お見事と言うほかない。
 そしていつしか妄想が妄想を生み、主人公の脳内ワールドは複雑な様相を呈していく。<書けない作家>のヴェイエルガンスが<書けない作家>ヴェイエルグラッフを生み、そのヴェイエルグラッフの頭の中から、またしても<書けない作家>グラッフェンベルグが出現し、さらに......という具合に、マトリョーシカ人形さながらに書けない作家の苦悶が幾重にも変奏されていくのだ。気をつけなければ、読者はもう誰が誰だかわからなくなってしまうかもしれない。でもご心配なく。それこそが、主人公にとっての<リアルな世界>なのだから。本国フランスにおいて、ウエルベックやトゥーサンを抑え、2005年ゴンクール賞を受賞した、笑いと涙の<超>自伝的小説。

登録情報

  • 単行本: 234ページ
  • 出版社: 白水社 (2008/03)
  • ISBN-10: 4560092079
  • ISBN-13: 978-4560092071
  • 発売日: 2008/03
  • 商品の寸法: 18.2 x 13.2 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 冗談のようで真面目でもある、面白くて切なく暖かい物語をお奨め致します。, 2008/3/16
By 
夢追人009 (奈良県) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 母の家で過ごした三日間 (単行本)
2005年度のゴンクール賞受賞作でフランス文学界期待の星ヴェイエルガンス日本初紹介の代表作です。本書は著者自身の実体験を踏まえて書かれているようで、主人公に自身と酷似した名前と同じ作家という職業を与えています。この趣向は恐らく一回しか使えないでしょうし少しずるいかなとも思えますが、単純なプロットを膨らませて一編の小説に仕上げた手腕は作者のお手柄で、読後感は爽快な印象でとても良い味が出ています。
雑誌社と出版契約を結んでいながら、何年も前から全く書けない59歳の作家フランソワは経済的にも精神的にも悩んではいるが生来のんきな性質で、妻子がいながら浮気性で女性から求められれば拒まず素直に応じるという風に勝手気ままに暮らしている。彼の想念は落ち着かず、次から次へと横道にそれて興味深い話に結びついて何時果てるとも知れない。熟考の挙句に脱稿した小説は、書けない作家が書いた小説の中に、また同じ書けない作家が出て来るという内容が、更に繰り返されるという入れ子細工のような構成だった。
作家が際限も無く語る薀蓄・知識やエロチックな性的妄想は、驚き呆れる程にヴァラエティーに富んでいて、笑えるかどうかは微妙な所ですが、話術に惹き込まれて時間を忘れて楽しく読めます。意外に日本の話も多くあり、福井県永平寺で禅修業を受けて「永平寺への道」という念仏音楽のアルバムに夢中になる下りは面白かったです。この小説が単なる冗談小説で終わっていないのは、最初の方と終章で90歳間近のママンを愛する6人の子供達との愛情に満ちたエピソードがきっちり真面目に書かれている為です。本書を読んでフランスの多くの男性が離れて暮らす母親に連絡を取ったそうで、一冊の本が為し得る善行としてとても喜ばしいと思います。冗談と真面目がアンバランスな面もありますが、そこは著者ならではの持ち味と考えて、面白くて切なく暖かい物語をぜひ味わってみて下さい。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 我々がこの世に誕生したその瞬間に切り離されたてしまった、あの若々しい女性に, 2008/3/22
レビュー対象商品: 母の家で過ごした三日間 (単行本)
独特のテンポとリズムから編み出される文体の魅力、文章のおもしろさによってのみ爽快な読後感をかもし出す類の作品です。それがなければ、「還暦過ぎても困った時だけはママンの後ろに隠れるんですか?」ときつく叱ってあげなければならないでしょう。タイトルから想像される湿っぽく生暖かい話でもありません。

突如出てくる虚構内虚構も単にフランソワのVer.2、Ver.3というだけで、次々と鏡に移った自分の姿に見とれては大はしゃぎする幼児のようであります。『母の家で・・・』Ver.2が『様々なる色事』に変遷するくだりは、まるでおっぱいをもらったママンへのお返しに、おしっこか固形のものをお見舞いする赤ん坊のようです。それもそのはず、父もまたファルスを持った男であることに19歳になって初めて気づき、「もしパパが死ねば、僕がママンの面倒を見てあげられるのに」というエディプス的葛藤と対峙したのが24歳の時ですから。もちろん通院歴はあります。
そんないい歳をしたフランソワ坊やが仕事をしない5年間だかの弁明をするのに、ママンを出しにしてはいろいろな省察、逸話、格言を雑然と縦横無尽に、その場しのぎの機知と機転で書きとめたように見せかけるのです。結局は何も書けないということを書きまくるのです。小癪です。「クールな文体にすれば、僕のサディスティックな欲望をうまく表現できる」とか生意気言ったり、「サディズムの矛先を安易に読者に向けるのは潔しとせず、己のサディズムを己に向かって行使する」苦悩に苛まれてるように見せかけるあたりは、とてもいじらしいです。「東京の文房具店勤務のトガワ・キミコ」女王様に代わって、ヒールで踏みつけたくなるほどの可愛さです。

流麗なる文体の技芸は別として、この曝け出された甘えと幼稚性へは母性のような寛容さが必要かもしれません。いずれにしろ、フランソワ!いつまでもタラタラ言ってないで、ちゃんとママンを看てあげなさい。
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2 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 母親と息子のおかしくも心温まるお話。, 2009/11/11
レビュー対象商品: 母の家で過ごした三日間 (単行本)
●2005年のゴンクール賞(フランスで最も権威のある文学賞のひとつ)受賞作。
●著者のフランソワ ヴェイエルガンスの作品で邦訳されてるのは、これだけみたい。
●マトリョーシカ人形のような小説。作品に出てくるのは『母の家で過ごした三日間』とう小説を書こうとしてるフランソワ・ヴェイエルガンスで、、その『母の家で過ごした三日間』とう小説の中にでてくる登場人物もフランソワ・ヴェイエルガンスで・・・・・
●前金をもらってしまっているのに、小説を書こうとしないヴェイエルガンス。まるで子供がだだをこねるように想像ばかりを膨らませてばかりいて、いっこうに筆をとろうとしない。
●ぐるぐると回想の世界で遊んでいると、、ママンが倒れた!!という知らせが・・・・
●息子と母親の関係なんて、いくつになってもこんな感じだろうな・・・と、なんとなく心が温かくなるような作品。
●リリー・フランキーの『東京タワー』に似ているような気がしました。(もちろん気のせいですがw)
●なかなか読み進められませんでしたが、すばらしい作品だと思います。ゆっくり思い返してみると、案外と奥深い含みがあるような気が・・・再度、ゆっくり味わいたいなぁと思っています。
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