深夜でも2時間おきに体位の交換、オムツを換え、周りを拭き、排尿量を量り、水分補給。その合間に原稿を書く著者。夜が明けるとお粥をつくる。そして昼間は雑誌の編集、講演。
それが、要介護度5の母親と生きる著者の日常の現実である。大変な現実だと抽象的にいいなしてもしょうがない。本書は、つらく切ない現実を受け止めた記録だ。
著者の個別的記録は個別的体験にすぎないのであって、万人の介護問題の直接的な参考になるわけではない。著者の介護についての知識もかならすじも深いわけではない。しかし、必死にもがく介護のさなか言いにくいこともきちんと言って何度でも独善的な医療関係者や介護事業所と交渉していく著者の姿勢からは見習うべき点はたくさんある。