表裏の装丁が千住博氏の素敵な絵の本書ですが、とても心が安らげる演奏をするヴァイオリニストの千住真理子さんとその母文子さんの対談集です。
音楽、家族、女性としての幸せ等の多岐に亘る話題に対して、二人の深い洞察を含んだ会話がなされていて、とても興味深く読むことが出来ました。
また、読み手の人生経験によって本書の印象は大きく変わる、優れた小説のような印象を受けました。
文中、前は「私が死にそう」って言ったら、「死んで見なさい」って詰め寄ってきたじゃない。私はいつまでも、そう言い続けて欲しいのよ。という千住真理子さんの言葉に対して、
「今、あなたは死んで見なさいって言ったら、本気で死ぬかもしれないよ」とみんなに言われるようになったじゃない。だからうっかり「死んで見なさい」なんていうことは言えなくなっちゃったのよ。
というような会話がなされています。
一時期ヴァイオリンを弾くことを止めたり離婚等の様々な経験をされ、それらを乗り越えて、年100回の演奏会をソリストとして行い、更に高みの芸術を追い求めている千住真理子さんの生き様にとても感動を覚えました。
ステージは違いますが、ビジネスの世界でもっと自分が価値をおく高みを目指そうという、やる気・勇気を本書からもらった気がします。