大学に入るため、いい会社に入るため、そんな目的で勉強している子供たちに「挑戦する勇気」を与えるための塾を新設した主人公・秀平が、たまたま買ったキャンディをきっかけに家族の絆や幸せについて考えていく物語。
バブルがはじけて不況になりリストラや自殺者がたえない大変な時代に生きている、とよく言われるが、戦争があった時代、食べるものに困っていた時代に比べて本当に大変か?を改めて考えるきっかけになった。
著者があとがきでも触れているよう、ボクたちが生きている今だけが大変な時代ではなく、どの時代も大変で、そんな中で「子供たちのために」と勇気を振り絞って生きてきた思いと覚悟を再認識できた。
特に印象に残ったのが文中の使命について振り返る場面で、
「今は昔と違って個人の幸福を最大限追求することが許されているにも関わらず、本来の幸せとは遠ざかっている。今の子供たちは自分のほしいものを手に入れることが幸せだと教えられて育つが、それは本当の幸せではない。人間は自分が誰かから必要とされていると感じて初めて幸せを感じることができる存在であり、自分のためよりも自分の大切な人のために行動するときこそ、思ってもみなかった力ができる」
という幸せの捉え方は、まさにその通りだと思った。幸せとは何かを改めて考えさせられる一冊だった。